348:帝都シルヴァリオ
書籍版マギカテクニカ3巻は、3/19(金)に発売となりました!
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『レベルが上がりました。ステータスポイントを割り振ってください』
『《刀術》のスキルレベルが上昇しました』
『《格闘術》のスキルレベルが上昇しました』
『《死点撃ち》のスキルレベルが上昇しました』
『《蒐魂剣》のスキルレベルが上昇しました』
『《HP自動大回復》のスキルレベルが上昇しました』
『《生命力操作》のスキルレベルが上昇しました』
『《魔力操作》のスキルレベルが上昇しました』
『《高位戦闘技能》のスキルレベルが上昇しました』
『《剣氣収斂》のスキルレベルが上昇しました』
『《背水》のスキルレベルが上昇しました』
『《走破》のスキルレベルが上昇しました』
『テイムモンスター《シリウス》のレベルが上昇しました』
今日はとりあえず帝都に到着するまでにしようと考え、街道から外れつつ戦闘を繰り返して数時間。
途中でいくつかの街に立ち寄りつつ石碑を解放して、しかし他には特に何もせずに通過した。
探せば何かしらのイベントがあったのかもしれないが、今日中に帝都まで到着しておきたかったのだ。
尤も、ただ急ぐだけであれば、空を飛んでいけばよかっただけではあるのだが――折角の新しいフィールド、戦わなければ勿体ないというものだろう。
ともあれ、そうして戦闘を繰り返したおかげで、シリウスのレベルを追加で二つ上げることができたし、俺たちのレベルも上がった。
この調子でどんどんと成長して欲しい所ではあるが……本当にレベルが上がり辛いな、こいつは。
「んー……やっと到着ですね」
「これが帝都シルヴァリオか。遠目に見ても分かったが、大層な規模だな」
遠近感が狂いかねないほどの広大な土地と、高い外壁。
堅牢な白と灰色の外壁には、一定間隔で大きな宝玉のようなものが嵌っている。どうやら、何かしらの魔法効果を得ているらしい。
外壁に囲われているため、ここから内部の状況を確認することはできないが、中央に見える巨大な城塞の一部は目に入った。
やはり、規模だけで見ればこれまでの国でも最大級だろう。大陸一の国力を持つ、というのも伊達ではないようだ。
「さっさと入るとするかね。他のプレイヤーももう来てはいるんだろ?」
「ですね、ここまで進んでいるプレイヤーも結構いるみたいですよ。何だか、色々施設があるんだとか」
「ほー、流石は最大規模の都市ってことか」
恐らくではあるが、新規進出に最も精力的なのはエレノアだろう。
市場調査、手に入る素材の確認、そして店舗の進出――彼女がやりそうな活動などいくらでも思いつく。
だが、ここまでの都市を見てきた感じ、シェンドラン帝国ではアドミス聖王国ほどの干渉を行う気はないように感じられた。
あちらは国が崩壊していたからこそ、市場を支配するレベルで干渉を行ったのだろう。
今回は、流石にそこまでの活動をするつもりは無いようだ。
(あいつらはどうするつもりなんだかな……)
アドミス聖王国を異邦人の活動拠点とする場合、どうしてもシェンドラン帝国との関係を避けることはできない。
今後国を立て直していくにあたり、国交も復活させることになるだろう。
その時、帝国は果たしてどのように動くのか。今は、それを確認するための期間といったところか。
まあ、その辺りの面倒臭そうな話は、すべてアルトリウスに任せておけばよいのだが。
「ふむ……とりあえず、入ってみるとするか」
「ですね、ちょっと楽しみです。ここ、カジノとかコロシアムとかもあるらしいですよ」
「ほう?」
帝都へと向けて歩を進めながら、興味深い単語に耳を傾ける。
カジノはともかく、コロシアムと来たか。その並びからして、賭博関連についてそこそこ発展しているということなのだろう。
正直、賭博行為そのものにはあまり興味は無いのだが、コロシアムにはそれなりに興味がある。
恐らく、出発前にアルトリウスが言っていた話はこれなのだろう。
「帝都はなんだか、色々と娯楽施設が多いらしくて……特に人気があるのがその二つらしいです。コロシアムには、一応参加の方法もあるらしいですね」
「ほー……成程、そりゃ面白そうだ」
果たして、コロシアムはどのようなシステムになっているのか。
できることなら参加して、帝都の猛者の実力を肌で実感してみたい所である。
尤も、それより先にやることがあるため、あまり遊び惚けるというわけにもいかないのだが。
「こうなると、聖王国の方が完全に崩れちゃったのが勿体ないですよね……きっと、すごく綺麗な場所だったでしょうし、観光したかったですよ」
「それは仕方ないわよ。残っていた部分も、ディーンクラッドが派手に破壊してくれたんだから」
「一応、エレノアが元の景観を取り戻す方向性で建築を進めているようだし、そのうちある程度は再現されるだろうさ」
エレノアのことだから、それに加えて都市の構造そのものも計画を立てている可能性もあるが。
流石にエレノア本人は建築知識を有しているわけではないだろうが、『エレノア商会』は多数の人材を抱えている。
彼女が声をかければ、知識のある人間がいくらでも集まってくることだろう。
聖都での生き残りはローゼミアだけであり、彼女は聖都の街並みに詳しくはないが、他の街で生き残った者たちの中にはある程度知っている者もいるだろう。
或いは、瓦礫の山の中から掘り出した資料に、何かしらヒントがあるかもしれない。
何にせよ、あいつなら上手くやることだろうさ。
街道に戻って帝都の正門に向かって歩いていくと、案の定周囲がざわつき始める。
この反応も、いくつかの街に立ち寄ってくる中で、すっかりと慣れてしまったものだ。
既に状況は理解しているし、別段ドラゴンを連れていても問題ないことは分かっている。
別段何か負い目があるわけでも無し、堂々と向かっていくこととしよう。
そうして正門まで辿り着いたところで、案の定兵士たちによって呼び止められた。
「君、待ってくれ。そのドラゴンは……真龍で間違いないな?」
「ああ、俺が卵から育てたドラゴンだ」
「君は龍育師なのか? しかし、異邦人のように思えるが……」
「これを見てくれれば、大体わかると思う」
言いつつ、ハオロナの紹介状を差し出す。
一応、宛先はテイマーギルドのマスター向けであるのだが、ここに書かれている内容は見られてもいいものであるらしい。
どうやら、ギルド間で別に情報伝達をする手段があるらしく、俺が持たされているのはあくまでも面会までをスムーズに行うための連絡事項なのだ。
あまり信用されていないということだろうが、便利だから別に気にするほどのことでもない。
兵士は受け取った紹介状の中身を改め、俺とシリウス、そして手紙へと交互に視線を向ける。
これまでの連中と何一つ変わらない反応に内心で苦笑を零しつつ、俺は彼の言葉を待った。
「成程、そういうことか……! 失礼しました。どうぞ、お通り下さい! テイマーギルドは、この先の二つ目の大交差路を右に行った先にあります!」
「ありがとう、それじゃあな」
状況を確認し、随分と畏まった様子になった兵士に見送られ、帝都の中へと足を踏み入れる。
その街並みであるが、通りがかなり広く作られているのが特徴と言えるだろう。
馬車が通りやすいというのもあるが、龍育師の存在がある辺り、もしかしたらドラゴンが通ることを想定されているのかもしれない。
おかげで、シリウスの巨体が通っても何ら問題はない状況だ。まあ、鋭い爪が地面に傷をつけていることについては許容して貰うしかないが。
「人が多いですね。何だか、久しぶりに見た気分」
「聖王国の方じゃ、こんな賑わいは全くなかったからな」
比較的被害の少なかった都市でさえ、人々の数はかなり減ったように見えていた。
店もあまり開いてはいなかったし、このような喧噪など皆無であったのだ。
実に喜ばしい光景であると言えるだろう。
「確かに、こいつはこれまでとは違う賑わいだな……お、あれがコロシアムか」
「そうらしいですね。時間がある時にでも見に行ってみます?」
「貴方が出場できるなら、私は賭けに回らせて貰うけど」
「ちゃっかりしてるな……」
コロシアムがどのようなシステムであるかは、後々調べておく必要があるだろう。
とはいえ、まずはテイマーギルドだ。今日は移動に結構な時間を使ってしまったし、そろそろログアウトせねばなるまい。
話だけ聞いて、明日に備えることとしよう。
「大交差路ってのは……このでかい通りのことだよな。となると、曲がるのは次の所か」
「っぽいですかね」
かなり広い交差点を通り抜けて、街の奥へと進む。
相変わらずシリウスが視線を集めているが、異邦人たちは既に情報を仕入れているのか、一度見た後はそれぞれの活動に戻っている様子だ。
むしろ大々的に興味を引かれているのは現地人たちの方であり、立ち止まってずっとシリウスを見つめている者も少なくはない。
やはり、それだけ真龍が、そして龍育師という存在が重要なのだろう。
「ギルドはこの先か。さて、何を言われることかな」
「皇帝との謁見は明日にして欲しいですね」
「そうすぐに会えるもんでもあるまい」
とりあえず、ギルドで話を聞くことが先決だ。
通りを曲がった先、やたらと長い塀が立っている敷地を確認しつつ、俺はその方向へと足を進めたのだった。
■アバター名:クオン
■性別:男
■種族:人間族
■レベル:73
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:46
VIT:34
INT:46
MND:34
AGI:22
DEX:22
■スキル
ウェポンスキル:《刀術:Lv.44》
《格闘術:Lv.13》
マジックスキル:《昇華魔法:Lv.9》
《降霊魔法:Lv.35》
セットスキル:《死点撃ち:Lv.48》
《MP自動大回復:Lv.24》
《奪命剣:Lv.36》
《練命剣:Lv.36》
《蒐魂剣:Lv.38》
《テイム:Lv.50》
《HP自動大回復:Lv.23》
《生命力操作:Lv.53》
《魔力操作:Lv.55》
《魔技共演:Lv.33》
《エンゲージ:Lv.18》
《回復適性:Lv.48》
《高位戦闘技能:Lv.13》
《剣氣収斂:Lv.27》
《識別:Lv.38》
《背水:Lv.8》
《走破:Lv.10》
サブスキル:《採掘:Lv.15》
《聖女の祝福》
称号スキル:《剣鬼羅刹》
■現在SP:50
■アバター名:緋真
■性別:女
■種族:人間族
■レベル:73
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:50
VIT:30
INT:44
MND:30
AGI:25
DEX:25
■スキル
ウェポンスキル:《刀術:Lv.44》
《格闘術:Lv.25》
マジックスキル:《火炎魔法:Lv.34》
《強化魔法:Lv.39》
セットスキル:《練闘気:Lv.28》
《スペルエンハンス:Lv.25》
《火属性大強化:Lv.20》
《回復適性:Lv.45》
《炎身:Lv.8》
《死点撃ち:Lv.45》
《高位戦闘技能:Lv.26》
《立体走法:Lv.26》
《術理装填:Lv.44》
《MP自動大回復:Lv.17》
《多重詠唱:Lv.15》
《蒐魂剣:Lv.8》
《魔力操作:Lv.38》
《遅延魔法:Lv.29》
《識別:Lv.45》
《魔技共演:Lv.5》
《燎原の火:Lv.9》
サブスキル:《採取:Lv.7》
《採掘:Lv.15》
《聖女の祝福》
称号スキル:《緋の剣姫》
■現在SP:57
■モンスター名:ルミナ
■性別:メス
■種族:ヴァルハラリッター
■レベル:21
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:53
VIT:26
INT:60
MND:26
AGI:35
DEX:26
■スキル
ウェポンスキル:《刀術》
《槍術》
マジックスキル:《閃光魔法》
《旋風魔法》
スキル:《光属性大強化》
《戦乙女の戦翼》
《魔法抵抗:大》
《物理抵抗:大》
《MP自動大回復》
《高位魔法陣》
《ブーストアクセル》
《空歩》
《風属性大強化》
《HP自動大回復》
《光輝の鎧》
《戦乙女の加護》
《半神》
《精霊の囁き》
《突撃》
称号スキル:《精霊王の眷属》
■モンスター名:セイラン
■性別:オス
■種族:ストームグリフォン
■レベル:21
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:65
VIT:40
INT:40
MND:30
AGI:50
DEX:29
■スキル
ウェポンスキル:なし
マジックスキル:《嵐魔法》
《旋風魔法》
スキル:《風属性大強化》
《天駆》
《騎乗》
《物理抵抗:大》
《痛恨撃》
《剛爪撃》
《覇気》
《騎乗者大強化》
《空歩》
《マルチターゲット》
《雷鳴魔法》
《雷属性大強化》
《魔法抵抗:大》
《空中機動》
《嵐属性大強化》
《突撃》
称号スキル:《嵐王の系譜》
■アバター名:アリシェラ
■性別:女
■種族:魔人族
■レベル:73
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:36
VIT:20
INT:36
MND:20
AGI:50
DEX:50
■スキル
ウェポンスキル:《暗剣術:Lv.44》
《短弓術:Lv.12》
マジックスキル:《暗黒魔法:Lv.24》
《月魔法:Lv.14》
セットスキル:《死点撃ち:Lv.47》
《隠密行動:Lv.30》
《上位毒耐性:Lv.8》
《アサシネイト:Lv.25》
《回復適性:Lv.40》
《闇属性大強化:Lv.24》
《スティンガー:Lv.28》
《ベノムエッジ:Lv.23》
《無影発動:Lv.14》
《看破:Lv.45》
《曲芸:Lv.29》
《投擲術:Lv.16》
《肉抉:Lv.8》
《ミアズマウェポン:Lv.25》
《立体走法:Lv.14》
《魔技共演:Lv.3》
《月属性強化:Lv.9》
サブスキル:《採取:Lv.23》
《調薬:Lv.28》
《偽装:Lv.27》
《閃光魔法:Lv.1》
《聖女の祝福》
称号スキル:《天月狼の導き》
■現在SP:36
■モンスター名:シリウス
■性別:オス
■種族:ソードドラゴン・レッサー
■レベル:5
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:34
VIT:34
INT:25
MND:26
AGI:30
DEX:30
■スキル
ウェポンスキル:なし
マジックスキル:《強化魔法》
スキル:《爪》
《牙》
《突進》
《ブレス》
《物理抵抗:中》
《硬質化》
《斬鱗》
《刃翼》
《尾撃》
《魔法抵抗:小》
称号スキル:《真龍》