344:龍の国
書籍版マギカテクニカ3巻、3/19(金)に発売となります。
情報は順次、活動報告とツイッターにアップしていきますので、ご確認ください!
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『《降霊魔法》のスキルレベルが上昇しました』
『《奪命剣》のスキルレベルが上昇しました』
『《識別》のスキルレベルが上昇しました』
『《背水》のスキルレベルが上昇しました』
『《走破》のスキルレベルが上昇しました』
『テイムモンスター《シリウス》のレベルが上昇しました』
この国で出現する魔物は、確かにアドミス聖王国の魔物よりもレベルが高いようだ。
基本的には小型のドラゴンや恐竜の姿をしている魔物が多く、どいつもこいつもかなり獰猛な性格をしている。
つまるところ、向こうから襲い掛かってきてくれるため、こちらとしては中々にやりやすい相手でもあるのだが。
「こりゃ確かにレベル上げに向いてるな。欲を言えば、もうちょっと敵が強ければいいんだが」
「ディーンクラッド対策に、必死でレベル上げましたからねぇ」
ディーンクラッドとの戦いを経て、俺たちのレベルは既に70を超えている。
奴と戦うためにはそれ位必要だったのだが、いざ普通の魔物を相手にすると、役者不足感が否めなくなってしまう。
今の俺たちにとっては、この辺りの魔物は適正とは言い難いレベルなのだ。
とはいえ、都合がいい面が無いということではない。
「シリウスにはちょうどいいんだがな……」
「見た目通り頑丈よね、この子」
頑強極まりないシリウスの鱗を小さな拳で叩きながら、感心したようにアリスは呟く。
この辺りにいる恐竜系の魔物は、どうやら魔法攻撃は持たず、物理攻撃のみに特化した性質を持っているようだ。
そのため、物理攻撃に対して耐性を持つシリウスにとっては、実に戦い易い相手だったのである。
ディノラプトル程度であれば噛みついたところでシリウスの鱗を貫くことはできず、体当たりも《斬鱗》に触れて自らダメージを受けるほどだ。
「全身が刃に包まれているようなもんだからな。壁役としても優秀かもしれん」
「私たちのパーティで初のタンクですか……いや、タンクとはちょっと違うかもですけど」
俺のイメージでは、タンクというのはパルジファルのようなプレイヤーのことだ。
敵の注意を引きつけ、相手に攻撃するよりも味方を守り続ける事を優先する立ち位置である。
しかし、シリウスは頑丈ではあるものの、攻撃能力に欠けているというわけではない。
しかも当のドラゴンがかなり獰猛であるため、護るというより攻める方に向いている性格だ。
敵陣で大暴れして注意を集めるぐらいならできるだろうが、巧みに立ち回り味方を護ることには向かないだろう。
「……とりあえず、しばらくはこの辺りでレベルを上げるのもいいか。シリウスを最前線に連れて行けるようにしたいからな」
「的が大きいですし、魔法に対する耐性は欲しいですよね。《強化魔法》である程度は補えてますけど」
ここに至って初めて知ったことではあるのだが、シリウスはその全身が武器、防具として判定されているらしい。
《強化魔法》を使うと、全身に魔法効果のエフェクトが現れるのだ。
鋭い爪や牙、角や尾は全てが武器であり、堅牢な鱗が防具として判定されているのだろう。
そのため、《強化魔法》を掛けることにより、シリウスは己の攻撃力と防御力を高めることができるのだ。
魔法に対しては今の所あまり強いとは言えないシリウスも、《強化魔法》で魔法防御力を高めれば多少はマシになるのだ。
まあ、どちらにしろ魔法にはあまり強くないので、そちらは俺や緋真が《蒐魂剣》で対応する必要があるのだが。
「ディノラプトルだけならシリウスにも任せられるようになってきたんだがな……」
「仕方ありませんよ。地道に上げて行きましょう」
相変わらず、シリウスのレベルは上がり辛いが、それでもここにきてスピードは上がってきているように感じられる。
ディノラプトルの群れでもいたら突撃したい所だが、今はとりあえず移動を優先することとしよう。
まずは、帝国での拠点を確保したい所だ。
「緋真、帝国の街については分かってるのか?」
「とりあえず、今向かっているのは国境の街アルケントですね。それなりに大きいですけど、活動拠点とするにはちょっと聖王国に近すぎですかね? 帝国に来た意味があんまりなさそうですし」
「だな。入るのに問題が無いなら首都まで行きたい所だ……帝都っていうのか?」
「それだと、もう一つぐらい街を経由しないといけないですね。何か、滅茶苦茶広いらしいですよ、帝都」
「成程なぁ」
大陸最大の国の首都となれば、それだけ規模も大きくなるものなのだろう。
果たしてどのような場所なのか、それも気になる所だ。
尤も、一番気になるのはどのような魔物がいるのかという点なのだが。
「しばらくは余裕もあるし、帝国内の各都市を巡って石碑を解放して回るのもいいかもな」
「何だか観光みたいですね?」
「否定はせんよ。しばらくは観光もいいだろうさ」
悪魔との戦いには、今しばしの時間がある。
あんまりのんびりと出来るわけでもないが、狩場探しのついでに観光したとしても問題はないだろう。
休戦協定の終わりを警戒しなくてはならないが、これまではずっと張り詰め続けていた状況であったし、多少息を抜いたとしても問題はあるまい。
ともあれ――
「シリウス、そろそろ行くぞ」
「グルッ!」
ズタズタになったディノラプトルの死体を鼻先で突いていたシリウスを呼び寄せ、先へと進む。
シリウスは物理攻撃相手なら強いことは事実なのだが、攻撃の性質上、どうしても相手を斬り刻んでしまう。
死体の損壊が酷いと、ドロップアイテムもあまり手に入らなくなってしまうのだ。
正直、恐竜の素材は俺たちの装備に使えるものではないからあまり確保する必要も無いのだが、素材集めの際には気を付ける必要があるだろう。
最初の街であるアルケントは、既に目と鼻の先といった状況だ。
街道から外れてのんびりと進んでいたが、そろそろ街道に合流して街に入ることとしよう。
「……グル?」
「そりゃまあ、流石に注目はされるわな」
街道に戻ると、当然ながら人の姿がある程度現れ始める。
プレイヤーもいれば現地人もいる、種族も多種多様ではあるのだが、やはり彼らの視線は揃ってシリウスへと向けられていた。
異邦人が連れているドラゴンとなれば注目されるのも当然ではあるのだが。
街道は広く、元より馬車が通ることを想定されている道であるためか、シリウスが歩いていてもそれほど邪魔にはならない。
「プレイヤーからもそうですけど、現地人からもかなり見られていますね」
「やはり、この国でドラゴンはそれだけ重要なんだろうよ」
果たして、彼らは見ただけで亜竜か真龍かの違いは分かっているのだろうか。
その辺がどうなのかは不明だが……恐らくは、街に到着すれば分かることだろう。
遠巻きに眺められはするものの、話しかけてくるようなものは存在せず、俺たちは程なくしてアルケントに到着した。
兵士は立っているものの、人々はほぼ素通りであり、異邦人たちもまた特に問題なく中へと入ることができている。
しかし、兵士たちが俺たちの姿を認めた瞬間、突如として表情を変え、慌ただしく動き始めた。
「あー、やっぱり面倒事になりそうですね」
「変な難癖をつけられるんでなければいいんだがな」
嘆息交じりに頭を掻きつつ、街へと向けて歩を進める。
兵士たちは警戒しつつ、しかし俺たちを止めることもなく待ち構えているようだ。
呼び止められないのであれば止まる理由もなく、俺たちはそのまま街へと進み――入る寸前で、彼らに声をかけられた。
「済まない、君! 君は、そのドラゴンを《テイム》しているのか?」
「……ああ、その通りだ」
少々面倒臭そうな気配は感じたものの、隠すこともできないため素直に首肯する。
現状、《テイム》でなければ《召喚魔法》でしか真龍を従えることはできないのだ。
どちらにしろ使役していることには変わらないし、そこを誤魔化すような意味もない。
そう判断した俺の返答に、兵士たちは顔を見合わせて片方が首を横に振る。
さて、今のは果たして何の合図なのか。彼らの事情を知らぬ俺たちには判断しようのない話だ。
やがて、しばしアイコンタクトしていた彼らは、再びこちらへと向き直って声を上げた。
「そ……それはどこでだ? どこにいたドラゴンだ?」
「どこって、普通に《テイム》なんかできるのか?」
「それを聞いているんだ!」
突如として大声を上げる兵士に、思わず眼を見開く。
やはり、真龍は普通にテイムすることはできないのか。
その辺は分からんが、とりあえず俺はそれに該当するわけではないのだ。
「いや、俺はこいつを卵から育てたんだ。公爵級悪魔を倒した報酬だよ」
「っ、龍育師の方でしたか! 申し訳ない!」
「お、おお?」
龍育師? 言葉をそのまま鵜呑みにするのであれば、ドラゴンを育てる職業があるということか?
良く分からんが、ドラゴンを育てているという点については間違いないな。
「あー……とりあえず、俺がコイツを育てているのは間違いなく事実だ。いずれは真龍王の領域まで育て上げるのが目標だな」
「それは全ての龍育師の夢ですね。まさか異邦人の中に龍育師がおられるとは」
「龍育師という分類でいいのかはちょっと分からんが」
「お時間があるようでしたら、テイマーギルドを訪ねてください。少々困っていることがありまして……」
何と言うか、勝手に話を進めてくるなこの兵士。
しかし、どうやらこちらとしても無視できるような内容ではないらしい。
何故なら――
『特殊クエスト《銀龍の傷痍》が発生しました』
何やら、厄介そうなクエストが発生してしまったのだから。
■アバター名:クオン
■性別:男
■種族:人間族
■レベル:72
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:46
VIT:34
INT:46
MND:34
AGI:21
DEX:21
■スキル
ウェポンスキル:《刀術:Lv.43》
《格闘術:Lv.12》
マジックスキル:《昇華魔法:Lv.9》
《降霊魔法:Lv.35》
セットスキル:《死点撃ち:Lv.47》
《MP自動大回復:Lv.24》
《奪命剣:Lv.36》
《練命剣:Lv.36》
《蒐魂剣:Lv.37》
《テイム:Lv.50》
《HP自動大回復:Lv.22》
《生命力操作:Lv.52》
《魔力操作:Lv.54》
《魔技共演:Lv.33》
《エンゲージ:Lv.18》
《回復適性:Lv.48》
《高位戦闘技能:Lv.12》
《剣氣収斂:Lv.26》
《識別:Lv.36》
《背水:Lv.7》
《走破:Lv.9》
サブスキル:《採掘:Lv.15》
《聖女の祝福》
称号スキル:《剣鬼羅刹》
■現在SP:48
■アバター名:緋真
■性別:女
■種族:人間族
■レベル:72
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:49
VIT:30
INT:43
MND:30
AGI:25
DEX:25
■スキル
ウェポンスキル:《刀術:Lv.43》
《格闘術:Lv.25》
マジックスキル:《火炎魔法:Lv.33》
《強化魔法:Lv.39》
セットスキル:《練闘気:Lv.27》
《スペルエンハンス:Lv.24》
《火属性大強化:Lv.20》
《回復適性:Lv.45》
《炎身:Lv.7》
《死点撃ち:Lv.44》
《高位戦闘技能:Lv.26》
《立体走法:Lv.25》
《術理装填:Lv.43》
《MP自動大回復:Lv.16》
《多重詠唱:Lv.15》
《蒐魂剣:Lv.7》
《魔力操作:Lv.37》
《遅延魔法:Lv.29》
《識別:Lv.44》
《魔技共演:Lv.4》
《燎原の火:Lv.8》
サブスキル:《採取:Lv.7》
《採掘:Lv.15》
《聖女の祝福》
称号スキル:《緋の剣姫》
■現在SP:55
■アバター名:アリシェラ
■性別:女
■種族:魔人族
■レベル:72
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:35
VIT:20
INT:35
MND:20
AGI:50
DEX:50
■スキル
ウェポンスキル:《暗剣術:Lv.43》
《短弓術:Lv.11》
マジックスキル:《暗黒魔法:Lv.23》
《月魔法:Lv.13》
セットスキル:《死点撃ち:Lv.46》
《隠密行動:Lv.30》
《上位毒耐性:Lv.7》
《アサシネイト:Lv.25》
《回復適性:Lv.40》
《闇属性大強化:Lv.23》
《スティンガー:Lv.28》
《ベノムエッジ:Lv.22》
《無影発動:Lv.13》
《看破:Lv.44》
《曲芸:Lv.28》
《投擲術:Lv.15》
《肉抉:Lv.8》
《ミアズマウェポン:Lv.25》
《立体走法:Lv.13》
《魔技共演:Lv.3》
《月属性強化:Lv.8》
サブスキル:《採取:Lv.23》
《調薬:Lv.28》
《偽装:Lv.27》
《閃光魔法:Lv.1》
《聖女の祝福》
称号スキル:《天月狼の導き》
■現在SP:36
■モンスター名:シリウス
■性別:オス
■種族:ソードドラゴン・レッサー
■レベル:2
■ステータス(残りステータスポイント:0)
STR:32
VIT:32
INT:25
MND:25
AGI:30
DEX:29
■スキル
ウェポンスキル:なし
マジックスキル:《強化魔法》
スキル:《爪》
《牙》
《突進》
《ブレス》
《物理抵抗:中》
《硬質化》
《斬鱗》
《刃翼》
《尾撃》
《魔法抵抗:小》
称号スキル:《真龍》





