表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
238/941

235:新たなるテクニック

マギカテクニカ第1巻、好評発売中です。

全国書店、ネット通販でお求めください!












『《格闘》のスキルレベルが上昇しました』

『《強化魔法》のスキルレベルが上昇しました』

『【ダマスカスエッジ】の呪文を習得しました』

『【ダマスカススキン】の呪文を習得しました』

『《降霊魔法》のスキルレベルが上昇しました』

『《死点撃ち》のスキルレベルが上昇しました』

『《奪命剣》のスキルレベルが上昇しました』

『【命喰牙】のテクニックを習得しました』

『《練命剣》のスキルレベルが上昇しました』

『【命双刃】のテクニックを習得しました』

『《蒐魂剣》のスキルレベルが上昇しました』

『【護法壁】のテクニックを習得しました』

『《インファイト》のスキルレベルが上昇しました』

『《回復適性》のスキルレベルが上昇しました』

『《戦闘技能》のスキルレベルが上昇しました』



 さて、墜落したエアロワイバーンたちを片付けたところで、予想通り様々なスキルのレベルが上昇する。

 そして、それと共に複数のテクニックが解放される。これで目標は達成できたわけだが、まずは効果を確かめなければならないだろう。

 と――その前に。



「《インファイト》はスキル進化するのか……次のスキルは《エンゲージ》か」



 まあ、このまま置いておく理由も無いため、さっさとスキルを進化させる。

 どうやら、基本的なスキルの効果は《インファイト》のころと変わらないらしい。

 しかし、《エンゲージ》の場合はこの効果が複数の敵に対して適応されるようだ。

 これまでは一体の相手に一定時間接近している時にのみ効果があったが、これは敵集団の中に入り込んでいれば効果がリセットされることはない。

 前よりも使い勝手が増しているということだろう。



「さてと……まずは魔法か」



 《強化魔法》に追加された新たな魔法、【ダマスカスエッジ】と【ダマスカススキン】。

 名前については特に気にすることではない。ダマスカス鋼について詳しいわけではないが、ニュアンスは十分伝わっている。

 問題は効果だが――まあ予想通り、【スチールエッジ】と【スチールスキン】の正当な上位互換といった所だ。

 効果が純粋に上がっているだけであれば、特に考える必要もない。

 純粋に攻撃力と防御力が上がった程度であると考えておけばいいだろう。



「で、問題のテクニックか」



 《練命剣》の【命双刃】、《奪命剣》の【命喰牙】、《蒐魂剣》の【護法壁】。

 このうち、名前を聞いたことがあるのは、オークスが使ってみせた【命双刃】だけである。

 あの時は確か、生命力を利用して二振り目の刃を作り出していたのだったか。

 さて、果たしてどのような形で発動するのか――まずは試してみるとしよう。



「《練命剣》――【命双刃】」



 右手に餓狼丸を握ったまま、【命双刃】を発動する。

 瞬間、左手が黄金の輝きに包まれ――それを握り締めると共に、半透明な黄金の刃が伸びた。



「ほう……? 成程、こうなるのか」



 あの時はオークスの使ったものを見ていただけなので、あまりイメージができていなかったのだが、どうやら中々に面白い性能をしているようだ。

 まず、左手に生み出される刃は、右手に握っていた武器の形が反映されるようだ。

 オークスが使っていたそれは長剣の形状をしていたが、俺が今発動させたものは餓狼丸をそのまま写し取ったかのような形状となっている。

 そして、この刃に重さは殆ど無い。握っている実感はあるが、まるで木の枝か何かのような軽さだ。

 この重さでは、刀の重さを利用した攻撃はできないだろう。まあ、オークスも防御用に使っていた様子であるし、こちらも不意討ちの手段程度に考えておいた方が良いだろう。



「で、次は【命喰牙】か」



 ここからは、オークスも使っていなかったテクニックだ。

 システムウィンドウからテクニックの説明を見れば、どうやら【命双刃】と同じく、もう一つ武器を作り上げるものであるようだ。

 しかし、こちらの武器形状は短剣に限定されているらしく、尚且つ普通に武器として扱うものではないらしい。

 説明によれば、このテクニックによって生み出した刃は、それを突き刺した相手からHPを吸い続ける性質を持っているのだそうだ。



「一度突き刺しておけば、こちらはHPを回復し続けられるというわけか……《奪命剣》、【命喰牙】」



 発動と共に、先程と同じように左手を黒いオーラが包み込む。

 それを握り締めれば、一振りの黒い刃が手の中に現れた。

 アリスの持つネメの闇刃にも似た、黒い刃。しかし、その刃は【命双刃】と同じく半透明で、更に黒い靄のようなものに包まれている。

 サイズとしてはそれほど大きくはないが、突き刺して利用するには十分だろう。



「ふむ……どんなもんかね」



 とりあえず、まだ素材を回収していないエアロワイバーンの死体へと近づき、その胴に【命喰牙】を突き立ててみた。

 すると、まだ鱗が残っているにもかかわらず、それを貫いてあっさりと刃が突き刺さった。

 思わず驚いて刃を引き抜くと、突き刺した場所には傷一つ残っていなかった。

 どうやらこの刃には物理的な攻撃力は無いようだ。



「また随分と、面白い性能だな」



 軽く、切っ先に指先を当ててみる。

 すると、殆ど感触も無く切っ先が指に突き刺さった。

 しかし、やはり傷がつくような様子もなく、痛みもない。

 この刃自体には、物理的な攻撃力は無いということだろうか。



「良く分からん性能だが……ふむ、とりあえず突き刺しておけば得ということか」



 刺しておけば相手の体力を吸い続けられるのだ。

 その量がどれほどなのかは分からないが、餓狼丸の吸収のような効果となるのだろう。

 どの程度の吸収効果になるのかは分からないが、HP回復の手段が増えるのはいいことだ。

 伯爵級の悪魔を相手にしても、より粘り強く戦うことが可能となるだろう。

 尤も、この刃を相手に除去されないかどうかは気になる所であるが。



「で、後は【護法壁】か……」



 剣技なのに壁とはこれいかに。

 詳細を確認してみれば、どうやらその名の通り、防御のために利用するテクニックであるようだ。

 まあ、《蒐魂剣》自体が元から防御に利用しているスキルであるため、その辺りの意識についてはそれほど変わらないのだが。

 ともあれ、このテクニックの効果であるが……地面に武器を当てることで、その前方に魔法を防ぎ吸収する防壁を展開するものとなっているようだ。

 このテクニックの場合、一閃だけで効果が終わるこれまでの《蒐魂剣》の効果とは違い、武器を地面から離すまで続くようだ。

 さらに、防御効果は武器の威力依存で変わるようだが、普通に《蒐魂剣》を使用するよりも防御性能は高いらしい。



「ふむ……純粋に防ぐ目的としては使えるか」



 とは言え、このテクニックを使用する際は足を止めなければならない。

 波状攻撃で回避が難しい時に使う程度だろう。

 逆に言えば、そういった時の対処手段ができたことは大きい。

 どうにも、広範囲に広がるような魔法は出どころを潰す以外の対処手段が無かったからな。



「《蒐魂剣》――【護法壁】」



 とりあえず、物は試しにとテクニックを発動させてみる。

 餓狼丸の切っ先を地面へと突き立てた瞬間、その前方に蒼く輝く壁が発生した。

 壁の大きさは、ちょうど俺一人が隠れる程度で、複数人を護るような効果は無いようだ。

 だが発生も早く、魔法が来た時に咄嗟に発動することは可能だろう。

 どの程度なのか、確かめたい所だが――



「っと……おい緋真、それは新しい魔法か?」

「あ、はい先生、【ファイアジャベリン】です」



 ジャベリンの名の通り、緋真の右手には炎の投槍が握られている。

 槍のような形状で飛ぶ魔法として、既に【フレイムランス】があったはずだが……果たして、どのような差別化がされているのか。

 互いの性能を知るのにも、これはちょうどいい機会だろう。



「よし、緋真。その魔法を試しにこっちに撃ってみろ」

「え、いいんですか?」

「ああ、こっちは《蒐魂剣》のテクニックを使っているからな。遠慮なく撃ってこい」

「そういうことなら……行きますよ!」



 俺の言葉を了承した緋真は、手に持つ炎の槍を振りかぶって投擲した。

 瞬間、柄尻側から火を噴き出した炎の槍は、凄まじい速さで【護法壁】に突き刺さり――衝撃を伴って爆発する。

 だが、俺の展開していた【護法壁】は、それによって発した爆炎と衝撃、その全てを完全にシャットアウトしていた。

 どうやら、【ファイアジャベリン】は弾速が速く、そして着弾と同時に爆発する性質があるらしい。

 槍という形状から考えて、恐らく突き刺さるとともに爆発するようになっているのだろう。

 そう考えると、中々に凶悪な魔法だ。だが――



「……成程、緋真の魔法を難なく防げるなら、十分な防御力になりそうだな」

「何だか、《蒐魂剣》にしては便利なテクニックですね」

「【奪魂斬】だって十分便利なんだがな」



 まあ、流石に【因果応報】についてはピーキーな性能であると言わざるを得ないが。

 だが何にせよ、ある程度使い勝手のいいテクニックを手に入れることはできた。

 伯爵級相手にどこまで有効であるかは分からないが、【命喰牙】辺りは便利に使えるはずだ。



「とりあえず、性能については理解した。そろそろいい時間だし、帰還するとするか」

「もういいんですか? 時間的には若干の余裕がありそうですけど」

「戦闘前の準備もあるからな。エレノアには連絡を入れてあるし、アイテムの類はもう準備されているだろうが」



 ちらりと、ルミナの方へ視線を向ける。

 セイランの首を撫でているあいつは、まだ進化によって得た力を完全に操れているとは言えない。

 あいつのためにも、多少は用意してやらねばならないだろう。

 そのためにも、さっさと戻って渡すものを渡さねばならない。やれることはまだまだあるのだから。





















■アバター名:クオン

■性別:男

■種族:人間族ヒューマン

■レベル:54

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:37

VIT:28

INT:37

MND:28

AGI:18

DEX:18

■スキル

ウェポンスキル:《刀術:Lv.25》

 《格闘:Lv.18》

マジックスキル:《強化魔法:Lv.40》

 《降霊魔法:Lv.14》

セットスキル:《死点撃ち:Lv.38》

 《MP自動大回復:Lv.8》

 《奪命剣:Lv.20》

 《識別:Lv.32》

 《練命剣:Lv.20》

 《蒐魂剣:Lv.20》

 《テイム:Lv.37》

 《HP自動大回復:Lv.8》

 《生命力操作:Lv.38》

 《魔力操作:Lv.36》

 《魔技共演:Lv.25》

 《エンゲージ:Lv.1》

 《回復適性:Lv.27》

 《戦闘技能:Lv.18》

サブスキル:《採掘:Lv.13》

 《聖女の祝福》

称号スキル:《剣鬼羅刹》

■現在SP:32






■アバター名:緋真

■性別:女

■種族:人間族ヒューマン

■レベル:54

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:41

VIT:25

INT:35

MND:25

AGI:20

DEX:20

■スキル

ウェポンスキル:《刀術:Lv.24》

 《格闘術:Lv.10》

マジックスキル:《火炎魔法:Lv.20》

 《強化魔法:Lv.16》

セットスキル:《練闘気:Lv.9》

 《スペルエンハンス:Lv.12》

 《火属性大強化:Lv.9》

 《回復適性:Lv.34》

 《識別:Lv.33》

 《死点撃ち:Lv.35》

 《高位戦闘技能:Lv.9》

 《立体走法:Lv.10》

 《術理装填:Lv.31》

 《MP自動大回復:Lv.1》

 《高速詠唱:Lv.29》

 《斬魔の剣:Lv.17》

 《魔力操作:Lv.18》

 《遅延魔法:Lv.16》

サブスキル:《採取:Lv.7》

 《採掘:Lv.13》

 《聖女の祝福》

称号スキル:《緋の剣姫》

■現在SP:34






■アバター名:アリシェラ

■性別:女

■種族:魔人族ダークス

■レベル:54

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:25

VIT:20

INT:25

MND:20

AGI:42

DEX:42

■スキル

ウェポンスキル:《暗剣術:Lv.24》

 《弓:Lv.14》

マジックスキル:《暗黒魔法:Lv.12》

 《光魔法:Lv.14》

セットスキル:《死点撃ち:Lv.36》

 《隠密行動:Lv.11》

 《毒耐性:Lv.27》

 《アサシネイト:Lv.12》

 《回復適性:Lv.34》

 《闇属性大強化:Lv.10》

 《スティンガー:Lv.12》

 《看破:Lv.35》

 《ベノムエッジ:Lv.8》

 《無音発動:Lv.26》

 《曲芸:Lv.10》

 《投擲術:Lv.1》

 《走破:Lv.26》

 《傷穿:Lv.15》

サブスキル:《採取:Lv.23》

 《調薬:Lv.26》

 《偽装:Lv.27》

 《聖女の祝福》

称号スキル:なし

■現在SP:38

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マギカテクニカ書籍版第12巻、7/18(金)発売です!
書籍情報はTwitter, 活動報告にて公開中です!
表紙絵


ご購入はAmazonから!


  https://x.com/AllenSeaze
書籍化情報や連載情報等呟いています。
宜しければフォローをお願いいたします。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ