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Magica Technica ~剣鬼羅刹のVRMMO戦刀録~  作者: Allen
MG ~Miniature Garden~

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228/987

226:攻略の方針

書籍版マギカテクニカ第1巻、5/23発売です!

現在、表紙及びキービジュアルを公開中です!

詳しくは活動報告、ツイッターをご確認ください!












「戻ったわ」

「おう、お疲れさん。こっちも、ある程度情報は聞けたぞ」



 予告していた一時間よりは若干早く、アリスは搬入口から貧民街側まで帰還してきた。

 まあ、住民たちは貧民街という呼び名は気に入らないようで、『壁外区画』と呼んでいるようであるが。

 その気持ちも分からないではないため、一応呼び名は壁外区画としておくことにしよう。

 戻ってきたアリスの姿に、少年――ユウは驚愕しつつも詰め寄るように声を上げた。



「姉ちゃんは!? 姉ちゃんはどうだったんだ!?」

「落ち着きなさい。怪我も無いし、元気そうだったわよ。やっぱり、回復魔法を使える人たちは丁重に扱われているみたいね」

「そ、そっか……」



 とりあえずは安心できたのだろう、ユウは深く息を吐いて脱力する。

 そんな彼の様子を横目に、俺は改めてアリスへと向けて声を上げた。



「情報のすり合わせをしたい。俺もこの小僧から多少聞いてはいたが、内部の正確な情報は分からなかったからな」

「了解。とはっても、そこまできっちり調査してきたわけじゃないわよ?」

「概要が分かれば十分だ。相手がどういう悪魔なのか、それさえ分かればやりようはある」



 現在の所、殆ど情報は無いような状態だ。

 このまま無策に突っ込めば敗北は必至。事前情報の重要性は身に染みて分かっている。

 俺の言葉に対して軽く肩を竦めたアリスは、そのまま小さく溜め息を吐き出してから声を上げた。



「この街を制圧した悪魔は、伯爵級のバルドレッドとかいう悪魔よ。その悪魔はどうも、人間に魔物を倒させて強くして、そして七日に一度自分に挑ませているみたい」

「……その意図は何だ? わざわざ手間をかけて、その上で人間を殺すなど」

「何か……聞こえは悪いですけど、収穫しているみたいですよね」



 顔を顰めながら呟いた緋真の言葉に、思わず眼を見開く。

 その言葉は、まさに現状を正しく表現したものであったからだ。



「……緋真。お前のその考え、合っているかもしれんぞ?」

「え? どういうことですか?」

「悪魔共はこれまで、戦える人間を優先して殺していた。抵抗してきた相手を潰していたのかと思ったが、わざわざ人間を鍛えた上で殺しているとなれば……『鍛えた人間』そのものに何らかの価値を見出している可能性が高い」



 『収穫』とは言い得て妙だ。奴らはまさに、自ら育てたものを集め、消費しているのだから。

 そして、それこそが――



「奴らは、悪魔共はリソースとやらを集めている……それは強い人間ほど持っているもので、だからわざわざ鍛えた上で殺しているんじゃないのか?」

「つまり、鍛えていない普通の人間を殺しても殆どリソースは得られないってこと? 悪魔たちが自分で魔物を狩るのじゃダメなのかしら?」

「効率は違うのかもしれんな。ま、推論の域は出ないが……それが分かったところで、現状打てる手があるわけでもないからな」



 強い人間が狙われていると分かったところで、既に攻め滅ぼされてしまっている現状ではどうしようもない。

 奴らの思惑が多少なりとも推察できた、というだけの話だ。

 まあ、今はその程度の認識でも十分だろう。重要なのは――



「それで、次の『収穫』はいつだ?」

「三日後になるらしいわね」

「となると、俺たちにとっては明日か。今日の内はレベル上げだな」



 この現状を座視せねばならないのは歯痒いが、今すぐに乗り込んだところで敵の位置が分からず、無駄に時間がかかってしまう。

 今日の内は変に刺激はせず、離れた場所でレベルアップに勤しむとしよう。

 その方が、悪魔と戦うにも都合がいいだろうからな。



「よし……小僧、俺たちは三日後にこの街の悪魔を倒しに来る。その時まで大人しくしておけ」

「……本当だな?」

「ああ、ここの悪魔は斬ってやるとも」



 それは確定事項だ。元より、悪魔というだけで見逃すつもりなどないのだが――ここの悪魔のやり口は気に入らない。

 人間を家畜か何かのように扱うそのやり口、その傲慢な在り方そのものが、俺にとっては認めがたいことであった。

 故に斬る。必ず殺す。バルドレッドというその悪魔は、俺の手で確実に息の根を止めてやろう。

 内心から溢れ出るような剣気は抑えながら、俺はユウへと微笑みかける。

 姉の身を案ずるこの少年には、今しばし我慢をして貰わねばならない。



「……頼む。お願いします。姉ちゃんのこと、助けてください」

「了解だ。三日後、楽しみにしておけ」



 軽く少年の頭を撫で、踵を返す。

 期待と懇願を込めた視線を送ってくる少年に軽く手を振りつつ、この壁外区画の外へと向かって移動する。

 さて、方針は決まったが、時間は限られている。

 今日の内に、できる限り鍛えておかなければならないだろう。



「さて……レベル上げるぞ。時間が無いからな、急いで移動だ」

「それは良いですけど、どこでやるんですか?」

「そうだな……とりあえず、北西の方に行くか」



 特に理由は無いが、これまでの傾向から考えると、南から離れるほど敵が強くなる可能性は高い。

 新たな敵も出現する可能性もあるし、鍛えるにはちょうどいいだろう。

 どのような敵が現れるのか楽しみではあるのだが、あまり暢気に戦っているわけにもいかないのが残念な所だ。

 俺は従魔結晶から再びセイランを呼び出し、その背へと跳び乗る。

 あまり遠くまで行くわけにもいかないが、近場では強い魔物が出ない。

 素早く移動できる距離を見極め、修練に励むとしよう。











 * * * * *











『《奪命剣》のスキルレベルが上昇しました』

『《練命剣》のスキルレベルが上昇しました』

『《戦闘技能》のスキルレベルが上昇しました』



 北西、やや西寄りで移動した先で見えた丘陵地。

 そこに着陸した直後、俺たちはすぐさま新種の魔物によって攻撃を受けた。


■ジャイアントモール

 種別:魔物

 レベル:45

 状態:アクティブ

 属性:地

 戦闘位置:地上・地中


 地面に穴を開けて突進してきた、巨大な黒い魔物。つまるところ、でかいモグラである。

 流石に地中から奇襲を受けた経験はなかったため面食らったが、地上での移動速度はそれほどではなく、初撃を躱してしまえば苦戦する相手ではなかった。

 そこそこ鋭い爪を持っていたため、バランスを崩されたら少々厄介だっただろうが――まあ、これだけならそれほど困る相手ではないだろう。



「モグラの魔物なんているんですね……」

「思わぬ幸運だったな。上空から見てそこそこ魔物の数が多い所に降りたんだが」



 まさか、見えない所にまで魔物がいようとは。

 これはこれで、中々都合の良さそうなフィールドだ。

 上空から見えていたのは、羊のような魔物と、黒い犬のような魔物だ。

 半ば牧場のような景色であったが、周囲に人間の暮らしている集落の姿は見えなかった。

 どうやら、こいつらは純粋に野生の魔物であるようだ。


■ブラックハウンド

 種別:魔物

 レベル:48

 状態:パッシブ

 属性:闇

 戦闘位置:地上


■ランドシープ

 種別:魔物

 レベル:46

 状態:パッシブ

 属性:地

 戦闘位置:地上


 犬と羊。牧羊犬だろうか。見た目は中々に長閑な光景だ。

 まあ、分類が魔物になっているということは、一応害のある存在なのだろうが。

 とりあえず、適当に攻撃を加えてみるとしようか。



「よし、とりあえずやってみるか。羊からは糸素材が手に入るかもしれんしな」

「採れても新しい装備を作ってる暇はなさそうですけどね。ま、そこはまた今度にしましょうか」



 糸素材を採取できたとして、それを布にして装備を作成するにはそれなりの時間がかかる。

 伊織がいかに優れた職人であったとしても、そこは仕方のないことだろう。

 その辺りは次の機会の楽しみに取っておくとして、今は魔物の相手だ。

 とりあえず、まずは近場をうろついている黒い犬の方へと近づいてみる。

 するとどうやら犬の方もこちらに気づいたらしく、体勢を低くして唸り声を上げ始めた。

 そのまま襲い掛かってくるのかと餓狼丸を抜いて待ち構え――次の瞬間、犬は身を翻して後方へと走り出した。



「あん?」

「あら、いきなり逃げるの?」

「倒したらボーナスがあるレア系……とか……」



 疑問符を浮かべた緋真の声が、尻すぼみに小さくなる。

 その理由は明らかだ。何故なら――ブラックハウンドの後退は決して逃走ではなく、攻撃行動だったためである。

 後方へと駆け出したブラックハウンドは、他の仲間と合流、そして周囲にいたランドシープを追い立て始めたのだ。

 ブラックハウンドによって追い立てられたランドシープたちは、一つの集団となって、地響きを立てながら走り始める。

 羊とは言ったものの、俺の知っている羊とは異なり、かなり大きい。恐らく高さだけで一メートル半はあるだろう。

 それほどの大きさを持つ羊たちが、巨大な群れとなってこちらに突撃してきたのだ。



「おいおい……こんなのアリなのか?」

「あ、私は上空に逃げるから」



 そそくさとセイランの背中に乗り込んだアリスには半眼を向けるが、止めることはしない。

 この規模の群れが突撃してきては、アリスには回避のしようがないのだ。

 とりあえずルミナとセイランには空中に退避するように指示を出し、緋真と並んで突撃してくる羊共を待ち構える。



「分かってるな、緋真?」

「流石にこの群れは怖いんですけど……ああもう、やってやりますよ!」



 半ばヤケクソであったが、覚悟は決めたようだ。

 俺はそんな緋真の様子に苦笑しつつ、刃を脇構えにしながら重心を落とす。

 この群れを正面から迎え撃つ――そのうえで、この魔物どもを制してやるとしよう。






















■アバター名:クオン

■性別:男

■種族:人間族ヒューマン

■レベル:52

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:37

VIT:26

INT:37

MND:26

AGI:18

DEX:18

■スキル

ウェポンスキル:《刀術:Lv.23》

 《格闘:Lv.10》

マジックスキル:《強化魔法:Lv.38》

 《降霊魔法:Lv.8》

セットスキル:《死点撃ち:Lv.37》

 《MP自動大回復:Lv.7》

 《奪命剣:Lv.16》

 《識別:Lv.31》

 《練命剣:Lv.17》

 《蒐魂剣:Lv.17》

 《テイム:Lv.35》

 《HP自動大回復:Lv.6》

 《生命力操作:Lv.36》

 《魔力操作:Lv.35》

 《魔技共演:Lv.23》

 《インファイト:Lv.28》

 《回復適性:Lv.23》

 《戦闘技能:Lv.9》

サブスキル:《採掘:Lv.13》

 《聖女の祝福》

称号スキル:《剣鬼羅刹》

■現在SP:34






■アバター名:緋真

■性別:女

■種族:人間族ヒューマン

■レベル:51

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:39

VIT:24

INT:33

MND:24

AGI:20

DEX:20

■スキル

ウェポンスキル:《刀術:Lv.22》

 《格闘術:Lv.7》

マジックスキル:《火炎魔法:Lv.15》

 《強化魔法:Lv.10》

セットスキル:《練闘気:Lv.7》

 《スペルエンハンス:Lv.10》

 《火属性大強化:Lv.8》

 《回復適性:Lv.33》

 《識別:Lv.31》

 《死点撃ち:Lv.34》

 《高位戦闘技能:Lv.7》

 《立体走法:Lv.7》

 《術理装填:Lv.29》

 《MP自動回復:Lv.27》

 《高速詠唱:Lv.27》

 《斬魔の剣:Lv.15》

 《魔力操作:Lv.11》

 《遅延魔法:Lv.10》

サブスキル:《採取:Lv.7》

 《採掘:Lv.13》

 《聖女の祝福》

称号スキル:《緋の剣姫》

■現在SP:32






■アバター名:アリシェラ

■性別:女

■種族:魔人族ダークス

■レベル:51

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:25

VIT:20

INT:25

MND:20

AGI:39

DEX:39

■スキル

ウェポンスキル:《暗剣術:Lv.22》

 《弓:Lv.8》

マジックスキル:《暗黒魔法:Lv.11》

 《光魔法:Lv.9》

セットスキル:《死点撃ち:Lv.36》

 《隠密行動:Lv.10》

 《毒耐性:Lv.27》

 《アサシネイト:Lv.11》

 《回復適性:Lv.31》

 《闇属性大強化:Lv.7》

 《スティンガー:Lv.11》

 《看破:Lv.34》

 《ベノムエッジ:Lv.6》

 《無音発動:Lv.26》

 《曲芸:Lv.8》

 《投擲:Lv.27》

 《走破:Lv.23》

 《傷穿:Lv.9》

サブスキル:《採取:Lv.23》

 《調薬:Lv.26》

 《偽装:Lv.27》

 《聖女の祝福》

称号スキル:なし

■現在SP:36

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マギカテクニカ書籍版第13巻、1/19(月)発売です!
書籍情報はTwitter, 活動報告にて公開中です!
表紙絵


ご購入はAmazonから!


  https://x.com/AllenSeaze
書籍化情報や連載情報等呟いています。
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― 新着の感想 ―
[良い点] 小説イラスト綺麗ですね。漫画やアニメは?出てますか?
[一言] 「犬は犬でも牧羊犬で御座る。」by黒犬
[一言] 黒犬〈誰が真正面から戦うものか!
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