プロローグ7 リリーの過去3
数年後、リリーは相変わらず塞ぎ込んでいたのだが
結局アンジェは待ってくれなかった。
1人のときは、あの公園での出来事と、アンジェの最後の言葉が頭から離れず私を縛る。
コンコンコン
「リリー、おはようございます。今日はとてもいい天気ですよ!今日は小高い丘まで行きましょうか。」
「…うん」
「はい!それでは出発進行です!」
私が外に出るようになってからは、エリスが毎日のように来てくれて、気分は幾らかは紛れる。
本当にありがたいことだと思う。
でも私は、あの1件以来、思っていることを相手に伝えるのが苦手になってしまった。
今までどのように会話していたのかも、わからない。
そんな生活を送っていたある日。
私はふと深夜に目を覚まし、窓辺から景色を見つめていたとき。
深紫色のローブを深く羽織った謎の人物が、月明かりに照らされているのを見つけた。
普段であれば気にならないのに、何故か私は目を逸らせずにいた。
「(あの人はいったい……)」
そう思いつつ眺めていると、謎の人物はゆっくりとした動きで公園の方に向かっていった。
リリーは部屋を抜け出し、謎の人物の後を追うのであった。
公園まで辿り着いたリリーは、花壇の草花を手に取り眺めている謎の人物に近づくと。
「この私に何か用かな、道に迷ってるお嬢さん。」
「!? ぁ、あの…」
「いやこの感じ…心を閉ざしているのかな?」
「な、なんでわかるの。」
「わかるさ、こんな夜更けに、こんな場所で、こんな足取りで来るんだからね。」
「私は、その…」
「うんうん、細かいことはいいさ。さあ、一緒に草花の声を聞こうじゃないか。」
「草花の声?」
「そうさ、私はこの子達がどういう子なのかを直接聞いているんだよ。」
「あ、あなたはいったい」
「私?そうだなぁ…んーーー……、通りすがりの錬金術士ってところかな?」
仕事終わりから書き始めてたらこんな時間に!
それと明日は仕事の関係で投稿できません…早く続きが書きたいのに…