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プロローグ6 リリーの過去2

リリー視点の過去回です。

研究所から飛び出した彼女はいったい

エリスがイコに幼馴染み3人の過去を話している最中。研究所から飛び出したリリーはというと。


「あぁーーーーー……やっちゃったよ……イコちゃん、怒ってるよね…はぁ……」


村の外れにある寂れた公園で落ち込みに落ち込んでいた。

よくこの公園で、(リリー)とエリちゃん、そしてアンジェと遊んでおり

昔は広くて綺麗な公園だとみんな喜んで駆け回っていたものだが

今となっては広くも感じなく所々錆が目立っている公園で1人寂しく黄昏れている始末。


「アンジェから別れを切り出されたのもこの公園だったっけ…」



それは二人きりで遊んでいた黄昏時の公園。もう日が完全に沈もうとしている間際に突然。


「リリー、私は決めたよ。ここを出て訓練学校に行く。」


わかっていた、エリちゃんの家に通うようになってからいつかそんな日が来るのだろうと。

でも、唐突に、いつになく真剣に、まっすぐに私を見つめながら切り出すものだからつい。


「あ、あー!今度はそういう冗談?もーやめてよ!アンがいなくなったらわたs」

「冗談なんかじゃない!!」

「ッ!?」


これまでの人生でアンに怒鳴られたことなど一度も無かったのに。

唐突に別れの話をされて、親友に怒鳴られて

私の心はパニックに陥り、ついカッとなって言ってしまったんだ。


「アンジェなんてどこにでも行ってしまえばいいんだ!!!」


そう言い放って私は自宅に逃げ帰ってしまった。

やってしまった。謝らなければ。いつものようにすぐ謝ればもとに戻れる。

そうだ、明日朝早く謝りにいこう。そうすればアンは。アンは……


謝らなければアンはこの村にいるのではないのだろうか。


食欲も無い。眠りたいけど眠れない。あの公園の出来事が頭から離れない。

嫌だ、離ればなれになりたくない、でも、謝らなければ

両親やエリスが扉の向こうでなにか言っているが、わからない。

もう、なにもかもわからない。そんなとき。


「リリー、私だよ、アンジェだよ。」

「!?」


扉の向こうからアンジェの声が!やっぱりこの村にいてくれるのね!

そう思い込み扉に手をかけたが


「明日、この村を出発することになったよ。リリーにはやっぱり見送って欲しくて。

自分勝手なのは分かってる、でも、でも私は!」

「見送らない!!!私はあなたなんて知らない!!!!」

「ッ!!そう、だよね、ごめんねリリー。でも私はあなたからの別れの言葉を待ってるから。

いつまでも、いつまでも待ってるから!」

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」


そう言って扉から離れ、廊下を歩く音を聞きながら

私は大声で泣き、アンジェに『さよなら』を言うものかと心に誓うのであった。

私が『さよなら』を伝えなければアンジェは待っててくれる。

そう思いつつ泣きつかれた私は、いつの間にか眠りに落ちたのであった。


目覚めてアンジェのことを村中探したが

すでにアンジェはこの村を発って数日が経過していることがわかった。

もう涙も出ない、心にぽっかりと空いたようだ

その日からエリスに無理矢理連れ出される以外は部屋で籠るようになり

数年が過ぎるのであった。

錬金術成分がほとんどないですが

次回は!次回は錬金術成分が出ると思うので!!

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