プロローグ5 リリーの過去1
いきなり長くなりました…
ブックマークと評価感想ありがとうございます!!
2018/9/7_17:06
一部文章を変更いたしました。御指摘ありがとうございます!
今後も間違いがありましたら、よろしくお願いいたします。
いきなり入門書の最後に書かれているものを作ろうとして、イコに怒られるリリー。
「なんであんたはそんなに横着するのよ!1ヶ月ぐらいしか一緒に過ごしてないけど分かるわよ、どーせあのネックレスが可愛いから〜とかそういう理由でしょ!何事も地道に努力しないと…」
「違うもん!あのネックレスは確かに可愛いから作りたいけど違うもん!!」
「なにが違うのよ!文句があるなら言って見なさい。」
「わたしは…わたしは早くこの錬金術を身につけないといけないの!」
走って研究所を出るリリー。その横顔はなにか思い詰めているようで。
「いったいどういうことなのよ…」
「…イコさん、ここは私が説明します。
あの子が横着してでも錬金術の力を身につけたい理由は、あの子と私、そしてアンジェの過去に訳があるのです…」
リリーの幼馴染みには3つ上の私ともう一人、アンジェという同い年の女の子がいました。
彼女はリリーと生まれた場所も、日にちも同じで、母親同士も仲が良く
親友になるまでそう時間は掛かりませんでした。
リリーはどちらかと言うと内向的で誰かの後を着いていくような子でしたが
アンジェは外交的でなんにでも興味をもち、いつでもリリーを引っ張っていくような子でした。
アンジェの両親は、彼女が小さな頃から私の家に通わせて、騎士道や剣術などを学ばせておりましたが
彼女の吸収力は凄まじく、10歳になる頃には現役騎士の私の父をも苦戦させるようになりました。
剣術の才能が凄まじい彼女の噂は瞬く間に広まり、王宮騎士の訓練学校からスカウトが来たのです。
私の父、それに彼女の両親の熱心な説得により、アンジェは訓練学校へ行くことを決めました。
しかし、ここから王宮まではかなりの距離。馬車で1週間ほどかかりますし
訓練学校は一度入学したら卒業まで家に帰ることは許されません。
部屋に籠りリリーは泣きじゃくりました。当然です。
あれだけ一緒にいたアンジェと離ればなれになってしまうのです。
リリーの両親が説得しても扉を開けず、私が説得しても扉を開けてもらえず。
アンジェ自ら説得しても扉が開くことはありませんでした。
そしてお別れの日。
アンジェを見送りに村中の人間が来ましたが
ついにリリーはアンジェの見送りには来ませんでした。
そしてアンジェが去ってから数日後。
やっと扉を開けたリリーは頬は痩せこけ、生気が無い目には隈ができ
見るも無惨な状態だったのです。
これではいけないとリリーの両親は様々なことをさせましたが
どれもリリーの心を揺れ動かすものにはならなかったようです。
それから数年後です。リリーが錬金術を知ったのは。
リリーとアンジェとエリスの過去
彼女たちはいったい何を思って過ごしているのでしょうか