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3幕:嘘と現実と上下関係と

「あ、そうだ。あと一つ言いたいことがあるんだけど」

「なんだ?オレは要件を済ませたから帰りたいんだが」

家で好物を待ってる大食い娘が待ってることくらい分かってるだろうに、これ以上オレの寿命を縮めるようなマネはやめてくれよ。

「アンタが捕らえた強盗だけど、指名手配されてたっぽいよ」

あぁ、この前来た時にいたコンビニ強盗か、人がマンガを読んでる時に襲ってきたのが運の尽きだったな。

「懸賞金はお前が貰っといてくれ。アイツに知られると困る」

「ん〜?あの子に知られたらなにか困るの?」

「さっき言ったとおりに嘘で処理されたからな、本当にそんな事ができるなんて思われたら敵わん」

「流石に店が爆発させられたなんてこと先に言ったら強盗を捕まえたなんて言っても信じれないわよ」

それに、アイツが本当だって知ったら謝ってくる事は確実だからな。鬱陶しいのはごめんだ。

「もうホントに帰るぞ」

「言いたいことは言い終わったからいいよ」

「そうかい、それじゃあまた」

そうして俺は家への帰路に2度目でつけた。そこからは特に何もなく、家具を破壊しかねない程フラストレーションを募らせていたアイツにプリンを渡して気を沈めてもらった。

「全く、買い物に行ったのに買うものを忘れるなんて酷いよね(もぐもぐ)」

「オレが買ってきたものを食いながらいう言葉がそれかよ(はむはむ)」

「まぁ、嘘つきさんもメロンパン食べてるから痛み分けってことで」

「一方的な出資を痛み分けと言うことを初めて知ったよ」

偶にはお前が買って来て欲しいんだけどな。夏場とか外に出たくないし。

「まぁいいじゃないかな、美味しいんだし」

「いつでもオレが買ってくると思うなよ」

「自分がどうなってもいいならそれでもいいよ」

「はいはい、冗談はそれぐらいにしとけ」

「冗談なんて言ってないよ?」

コイツ、なんて澄んだ目を…

「という訳で、これからもよろしくだよ」

「いつか絶対にボイコットしてやるからな…」

「そういう事は私に勝てるようになってから言うんだね!」

オレが基本的に女に手をあげないことを分かって言ってるんだから本当にタチが悪いな、だが財布を圧迫するようなプリン大好き娘にかける慈悲などない!

「なら、それを実現するのは今だな!クタバレッ!」

「実現することのない夢があるって事を教えてあげるよ!」

その後の顛末だが、オレがラリアットを喰らってKOされてこれからも買い物に行くことが決定された。逆襲を誓ったものの、果たされることは無いだろうと確信している事に悲しみを覚えた。

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