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初めての投稿になります。
少しでも楽しんで頂けるような物を書けるように頑張ります。
気がついたら、綺麗な女の人に抱っこされていた。
何か喋りたいのに、口から出るのは「オッギャー、オギャー」と言う泣き声しか出なかった。
身体は全然動かせないし、ただただ全力で泣くことしか出来なかった。
「サーシャちゃん、大丈夫よ」
綺麗な女の人に笑顔で言われ、優しく揺さぶられる。それだけで安心して気持ちが落ち着いて きたのか眠たくなってきた。
(僕どうなったんだっけ?)
微睡みながらも目覚める前の事を思い出していた。
物心つかない内に両親が亡くなり僕は母方の祖母に育てられた。
いつも優しい祖母だったが、将来僕が一人でも生きていけるように色々な事を教えてくれた。
小さい頃から少しずつ覚えていき、中学生卒業する頃には家事全般と編み物や縫い物まで完璧になっていた。
高校は農業関係の学校に進学した。花は祖母が沢山育てていたこともあり興味があってそこを受験した。
フラワーデザイン科でアレンジメントなどを作っていた。
卒業する時に資格も取れた。
高校卒業間近に祖母が他界し、卒業後は花屋さんで住み込みのバイトをして暮らしてた。
小さい頃から女みたいとからかわれてきたが、年配のお客さんには可愛がられていた。
あの日アレンジメントの注文が入り、僕が車で配達に出掛けた。
お宅の前には道挟んで向かい側に少し大きめの公園があり、そこには平日の昼間で沢山の親子連れが遊んでいた。
お宅の前に車を止めアレンジメントを届け終わって車に乗ろうとした時、公園の方からボールが転がってきた。
僕が拾ってあげようと思って道路に行こうとするともうスピードでトラックが走ってきた。
危ないと思って止まったら、公園の方からボールを追いかけて女の子が走ってくるところだった。
僕は必死に危ないよ、止まってと声をかけたが女の子は気がついてなくて車道でボールを拾ってようやく気がついたみたいだった。
でも、トラックの方を見つめて固まってしまった。
女の子の母親も気がついて名前を呼びながら走ってくるが、とても間に合わない。
考える暇もなく走り出していた。
トラックのクラクションが鳴り響き、女の子の体に当たる直前に思いっきり母親の方へ突き飛ばした。
激しい痛みと女の子の泣く声は聞こえていた
お姉ちゃん、お姉ちゃんと泣き続ける女の子を安心させるように笑い意識をなくした。
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