nineth story
ドクン。ドクン。
音が止まらない。
「・・・奈緒?どうした?」
優香が私の顔をのぞいてきた時、正気に戻った気がした。
「ううん。大丈夫。ボーっとしてただけ。」
「そう?ならいいけど・・・。てゆうか、あの時、恵里の顔赤かったよ!・・・もしかして・・・惚れちゃった?龍崎に。」
「えっ・・・ちょっと止めてよ・・・。」
「あっれぇ〜顔赤いよ。」
ドクン。ドクン。ドクン。ドクン。
恵里の言葉で、私の心臓はさっき以上に大きな音を出し始めた。
何で?
・・・もしかして、私・・・龍崎の事・・・・。
「っ!!ごめん。ちょっと、トイレ!」
私は大きな音を出す心臓と共に、トイレに駆け出した。
薄暗いトイレの鏡に顔を映してみると・・・・赤かった。
私が龍崎のこと好き?違う・・。
だって、昨日初めて喋ったんだし。
名前出てこなかったし。
昨日まで怖いって思ってたし・・・。
・・・でも、助けてくれた時は嬉しかったな・・・。
それに、今日だって楽しかった・・・。
カレーパン好きなんて子供みたい。
・・・・やっぱり・・・キーンコーンカーンコーン・・・・
予鈴のチャイムがなる。
チャイムで、頭が冷えたのか好きとか違うとか考えるのがアホらしく感じた。
「もう、考えるのやめよ。きっと、気のせいさ・・きっと。」
パンッと、自分の頬を軽く叩き、優香と恵里が待っている教室に戻った。
ふと、窓を見ると小鳥が鳴いていた。
「奈緒?大丈夫?もしかして・・つわり?」
教室に帰ると優香がニヤニヤしながら聞いてきた。
本当に心配してくれてんだか?
「奈緒?しんどかったら、言ってね。」
恵里はいつも優しい言葉を掛けてくれる。
いい子だなぁ・・・。
「はい。席すわれぇ!HR始めるぞ。」
勢い欲ドアを開ける音と同時に見慣れた担任が入ってくる。
大抵、担任が来る前に皆が席についてるということは無い。
それは私もで、急いで席に着く。
私の席は窓が近く、暇な時はよく外を見ている。
今日も外を見ていると・・・。
カレーパン・・・・買おっかな・・・?
そんな考えが頭をよぎった。
読んでいただき、ありがとうございました!
どうですか?ちょっと変な感情を持ってしまった奈緒ちゃん・・・。これから、どうしましょ?
引き続き、ぴーぷる うぉっちんぐ、よろしくお願いします!