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seventy fifth story

「だぁぁぁ・・・。」



また来てる・・・。


あと、少しでクリスマスという時期。

時刻は11時40分。

もちろん夜中の。


そんなくらい中、私の家の前に一人の男が座ってる。


一人の男って言っても、知ってる人だし、来てくれて少し嬉しかったりもする。



そんな龍崎が、いつも家の前にいる。


かれこれ、2週間ぐらいかな?

これじゃ、前の反対だよ・・・・。



出来ることなら、龍崎のもとに駆け寄って、抱きついてしまいたい。


でも、そうしたら私、何するかわかんないから。



龍崎には恵里がいるんだもん。

ズキン

自分で思ったことなのに、胸が痛む。


そういえば、最近、恵里も避けてるよな・・・。


なんか、何はなせばいいのか分かんないんだもん・・・。


恵里の顔見るだけで、胸が締め付けられる。

それだけ、好きだったんだよね・・・・龍崎のこと。




恵里を憎んじゃいけない。って、分かってるけど、避けてしまう。


・・・・・・・しょうがないことだよね・・・。







不意に、龍崎のぽっけっとに突っ込まれてる手に目が行く。


二週間前、あの男らしい少しがっちりとした手が、私の頭に乗った。

その手はすごく柔らかくて、温かくて、恥ずかしくて・・・。


私は叩いてしまった。



そのときのショックを受けたような顔と、龍崎の悲しみがまだ胸につっかえていた。




・・・・・・そういえば、何であんなに追いかけてくるのかな?


恵里と龍崎のこと邪魔してないし・・・。

話だって、聞かなくたって、分かったし・・・。

どうせ、邪魔するな。なんだろうな。


だから、邪魔してないのに・・・・。



もしかして、おめでとうって言って欲しかったの?








無理だよ。


龍崎と恵里が、仲良くなってるのみて、素直におめでとうなんて言える訳ない。

反対に泣き出しそうだし・・・・。





私は、もう一度家の前を見た。




だるそうに壁にもたれる龍崎の息は白かった。


もう帰ればいいのに・・・・。








それから1時間ほどして、帰って行った。


もう、私の手も赤くなっていた。






























今日は、皆、家族旅行で家に誰もいない日。


HRも終わって、私は部活に出ようとしていた優香にバイバイと言って、家に向かった。


ただ今4時20分。


いくらなんでもこんな時間に龍崎はいないだろう。








―――甘かった。




ばっちりと合う目。



そう、龍崎は家の前に今日もいた。



「あっ、あら・・、龍崎くん・・。お早いおつきで・・。」



少し後ずざりしながら言うと、龍崎は少し睨むような目で、


「10時くらいから、待ってた。」


と、言った。



待ってた。


その言葉が、なんだかとても嬉しかった。





「おまえ、避けんなよ。」


龍崎は少し強めに腕を握ってきた。


それからは、怒りというより拗ねたようなものが伝わってきた。




・・・・・・・・・拗ねる・・・?



なんで?



龍崎につかまれた腕は、熱かった。





読んでいただき、ありがとうございました!!

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