sixty fourth story 矛盾と決意
・・・・・だぁぁぁぁぁ〜!!
龍崎の姿が見えなくなってから、頭を抱えてしゃがみこんだ。
何を言った?
何を言ったんだ!!私は!!
行って、行かないで、どっちだよ!!
龍崎、引いたかなぁ・・。
あん時、自分の事に精一杯で何も感じ取れなかったよぉ・・・。
役立たず目が!!
持つんだったら、霊視能力とか、エスパーとか、読心術だったら良かったのに・・。
まぁ、読心術に近いけど、感情しか分からない。
何を考えてるかなんて、何を思ってるかなんて、分からない。
不安定さしさ。
他の事考えてても。心臓はまだドキドキなっている。
『呼び出し・・・まぁ、された。』
呼び出し・・・・、絶対恵里、告るつもりだ・・。
あの時の恵里、真剣だったもん。
と、いうか、行動早いなぁ・・・。
龍崎、なんていうんだろう?
『いいぜ、田上、可愛いしな。』
いやっ、いやっ、嫌だ!!
今追いかければ、間に合うかもしれない。
行かないでくれるかもしれない!
私は立ち上がった。
『それで、振られたらきっぱり諦めるんだ。』
『ライバルとして、応援してね!って、変か?』
だめだよ。
出来ない。
私は地べたにお尻をつけて座る。
恥ずかしそうな顔をしながら、澄んだ目、そんな顔してた恵里の決心を崩したくない。
なんて、弱虫なんだろう。
何にも出来なくて、うずくまって泣くなんて。
自分の性格に嫌気が差した。
『神田。俺、今日から、田上と付き合うことになったんだ。』
『えっ?』
向き合ってる龍崎の横には、嬉しそうな顔をした恵里。
『だから、悪いけど、あんまり引っ付いてこないでくれ。』
嘘でしょ?
必死に掴んだ手は、パシンと言う音と、痛みと共に振り払われた。
『じゃぁ、そういうことだから。』
龍崎・・・・・・?
行かないで・・・?
「はっ!!・・・・ゆっ、夢か・・・・。」
カーテンが閉まってるせいか、まだ時間が早いのか、部屋の中は暗かった。
昨日1時に家に帰ってきて、お風呂は行って寝たんだよね・・・。
今何時なんだろう?
まだ眠いや。
私は、手だけをパタパタ動かして、携帯を探した。
タララン、の音と共に、薄い青の光が目の前に広がった。
待ちうけ、おもっと大人しいのにしとけばよかったかな?
寝起きにはきついよ?
4時23分。
いつも起きるぐらいか・・・。
私は、あまり家に居たくなくて、毎朝早く出て、遅くに帰る。
会いたくないから。
私は少し隈の出来てる目をこすりながら、起き上がる。
学校、行きたくないなぁ・・・。
正夢になったらどうしよう?
そう思いつつも、手は勝手に制服へと伸びていた。
テスト、終了で〜す!!
結果は聞かないで下されば、光栄です・・・。
読んでいただき、ありがとうございました!!
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