fifty fifth story 真実
ピンポーン ピンポーン
「・・・・・・。」
いつの間に眠ったんだろう?
俺はベットの上で、今チャイムの音に起こされた。
「・・・っ。」
目が痛い。
鏡を見てみると、少し腫れていた。
女じゃあるまいし・・・。
ピンポーン ピンポーン
「誰だよ・・・。」
そう思ったけど、目が腫れてるのをあまりみられたくないから無視することにした。
俺はもう一度ベットに寝転んだ。
ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピン「うるさい」
誰だよ。
うるさいなっ
俺はうるささに耐え切れず、階段を下りた。
リビングに行って、受話器を上げる
「・・・・。」
『おっ!やっとでたか!!』
ガチャン
俺は受話器を置いた。
アイツだ。
直哉が居る。
何で気づかなかったんだ?
あんなしつこい奴あいつしか居ないのに。
俺は自分の考えの無さにうんざりしながら、部屋へと歩き出した。
ほっとけば帰るだろう。
俺の考えは甘かった。
ギィィィィ
「おじゃマンボ!」
俺が廊下に出たとき、玄関のドアが開き直哉が入ってきた。
「・・・・・・・・・・・・不法侵入罪で訴えられたくなかったら出て行け。」
何で鍵を閉めてないんだ?俺は!
「うっわぁお!お友達にそんなこと言わないで〜」
「キモッ。」
だから結婚できないんだよ、と付け加えるとアイツは顔中にムカツキマークを貼り付けてこっちに来た。
ドスドスドス
と、人間離れした足音を響かせながら迫ってくる直哉。
俺は、少しだけ後退りしてしまった。
「かぁぁぁおぉぉぉるぅぅぅ〜」
不気味な声を出して、直哉が俺に手を伸ばす。
俺は部屋に逃げ込もうと走り出す瞬間。
「なッッ!!」
直哉が俺に抱きついてきた。
「お前はなせ!変態!そんな趣味もあるのかよ!!」
俺はじたばた暴れた。
高校生になったのに、喧嘩でもほとんど敵は居なくなったのに、直哉から離れることは出来なかった。
「・・・・・・・ごめんな。」
直哉は俺の耳元でそう呟いた。
俺の力が急激に弱まった。
「・・・・・・・何で知ってたんだ?」
大きな声を出したつもりだったのに、俺の声は小さかった。
「え?何が?・・・・・あぁ・・。友達に教えてもらってたんだ。」
「じゃぁ、何で来なかったんだよ。」
静かな家に響く俺の声。
「・・・・・・ごめん。何言っても言い訳にしか聞こえないかもしれない・・・・。」
「早く言えよ!!」
力が抜けてたのか、直哉の手を簡単に振りほどくことが出来た。
「お前に会った後、事故ッたんだ。」
事故?
「んで、2、3日意識不明だったらしい。」
直哉は苦笑いをした。
俺、何も知らなかった。
何も・・・。