fifty fourth story
これは夢か・・・?
目の目には神田が居て、俺の後ろにはもう会えないと思ってたあいつが居て・・・。
アイツは、さも毎日会っていたかのように接してきて、それに少し戸惑いながらも、少し楽しく感じている自分が居る。
アイツは一度俺を裏切ったのに・・・。
俺はそれを忘れたかのように、普通に話している。
本当の俺だったら・・・・・、きっとアイツを無視したり・・もしかしたら殴ってるかもしれない。
『うそつき男』
って、言いながら・・・。
これは夢なのか?
それとも、俺が変わったからなのだろうか?
そんな疑問を胸に抱きながら、俺は少しばかり今を楽しんでいた。
「・・・・。俺がどんな趣味だって?」
「幼女連れ去り。」
・・・・私は幼女かいっ!!っと、神田が叫ぶ。
直哉は口だけ笑った状態で、俺をまたぐりぐりしてくる。
「違うわ!!アホッ!・・・俺と奈緒ちゃんは友達だもんね〜?」
最後に俺の頭をベシッと叩きながら、直哉は神田と顔を見合わせて笑う。
いつ、友達になったんだ・・・?
「ハッ・・・・・・良かったな一人目の友達。」
俺はその姿にあきれながら、玄関へと向かった。
「・・・・一人目って!おいコラ!お前が友達第一号じゃないか!!!」
せっかく進みかけたのに、直哉は俺を引っ張った。
「・・・・・・・・・・俺は友達になってない。」
「・・・・照れちゃってぇ〜。
毎日オレの事まってたんでしょ?」
直哉の顔が少し真剣になる。
「・・・・・。」
なんで知ってんだ?
3年前、お前を待ってたこと。
知ってて、来なかったのか?
知ってて、影で笑ってたりしたのか?
「・・・・帰るから離せ。」
怒鳴りそうになる感情を抑えて、俺は直哉の手を振り払った。
「龍崎・・・?」
一瞬見えた直哉の悲しそうな顔と、神田の声が頭をよぎる。
俺は振り返らずに家の中に入った。
ガチャンとドアが閉まる。
俺はそのドアにもたれかかり、ずり落ちるようにしゃがみこんだ。
『・・・・何か、あったんですか?』
『う〜ん・・・。なんでもないよ。俺が悪かったんだ。』
かすかに聞こえる話し声は、俺の耳から入り、耳へと抜けていく。
なんだか、少し悲しかった。
しばらくして、スポーツカーの音がして、消えていった。
やっと帰ったんだろう。
俺はゆっくり立ち上がり、電気をつけた。
夜の闇になれた目には、少し光が強かった。
俺は階段を上った。
少し涙が出た。
すみません、おばあちゃん地に帰るのでしばらく更新できません・・・。
復帰は5日か、6日になります・・・。
ごめんなさい!!