fifty story
「家では、私や主人の方で馨に嫌な思いをさせてしっまていて・・・。」
自覚、あったんだ・・・。
別に責めてるわけじゃないけど、そう思った。
「・・・・笑ってませんよ。それどころか、いっつも授業サボって、氷のような目して喧嘩しまくってます。」
嘘を言おうか?そう思ったけど、必死に聞いてくるこの人に適当なことは言えなかった。
「そ・・・うです・・よね。」
その人は、うる目になって私から顔を背けた。
「そですよね。じゃないですよ。あなた達にせいで、龍崎はすっごく苦しんで、悲しんで、悔やんでいました!そんな言葉で終わらせないで下さい!」
責めるつもりは本当に無かったが、結果的には責めてしまった。
「っ・・・ごめんなさい。・・・ごめんなさい。」
その人は泣き出した。
その涙は、とてもキレイに流れていた。
「私に謝らないで下さい。人生まだまだ長いんです。もう一度、頑張ってください。」
私は、そういって立ち去ろうとした。
「馨は・・・私の事恨んでませんでしたか・・・?」
後ろからかすかに聞こえる問いかけに、
「・・・龍崎、あなたが倒れて運ばれた時、泣いてましたよ。」
とだけ答えた。
その人の泣き声が少し大きくなったような気がした。
ごめんね、龍崎。私には生意気な口叩くことぐらいしかできないや。
病室を出て、5、6歩した頃、目から大量の涙が溢れてきた。
「・・・・ぃぃなぁ・・。」
そう呟いた。
私はその日、学校を休むことにした。
優香にメールしたから、適当な理由を付けてくれているだろう。
私は、ケータイを開いてメールが着てないかみた。
「・・・あれ?」
新着メール
恵里v
そこには、久しぶりに見た名前があった。
――奈緒へ
ごめんなさい。
時間があれば、
噴水のある公園に
来て下さい。
恵里――
噴水のある公園。
確か、私と恵里が始めてあった場所。
2年前、入学式のあった日。
その日に届いた、母からに手紙を手に、私が学校に向かっていたら風が吹いてきて、その手紙を吹き飛ばしてしまった。
それはふわっと飛んでいき、噴水の中に落ちてしまった。
『あっ!!あ〜〜!!!!』
私が必死に手を伸ばしても、それは届かなかった。
私は靴下に手をかけ、そのまま突っ込もうとした。
『遅れちゃいますよ?』
その声と共に木の枝が私の横から現れて。あっという間に手紙をすくってしまった。
『あっ、ありがとうございます!!』
『いえいえ。あなたも1年生?』
『はい!!』
『へぇ〜。私も。田上 恵里です。よろしくね。』
『うん。神田 奈緒。奈緒でいいよ。』
そうして、私達は仲良くなった。
元からの大親友優香と一緒に3人で行動してた。
あの時は、ずっとこのままでいけると思ってたんだ。
でも、恵里は私を嫌ってしまった。
あの公園に行ったら、元に戻れるかな?
胸いっぱいの不安と、戻りたいという焦りが渦巻いていた。