fourty third story
だぁぁぁ!!
龍崎が居るってわかってから、はや4日。
今日こそはっ!!
インターホンに手を伸ばす。
・・・駄目だ。押せない・・・。
何度、これを繰り返したのだろう?
情けないなぁ・・・・。
でも、龍崎が出てきたら、なんて言おう・・。
「こんばんわ。良い夜ですね。」
・・・・違う。
「グット イーブニング!!」
・・・・・欧米か?
「ヤッホ〜★久しぶり♪」
・・・・ダメダ。きっと、ドア閉められる。
わかんない。
『ウザイ』『迷惑』
本当に龍崎が言ったのかわからないけど・・・もし、本当だったらどうしよう・・・。
急に不安が襲ってきた。
「今日は・・・もう・・・帰ろっかな・・・。」
バンッッ
私が、足を動かしだした時、龍崎が飛び出してきた。
「!龍ザ・・・「神田!・・・・助けてくれ。・・・俺・・・俺・・・。」
私が驚く前に、龍崎は大声を出し、私にしがみついてきた。
それは、小さな子供のように泣きついて・・・。
「ちょっとっ!落ち着け龍崎!どうしたの?」
私が無理やり龍崎の顔を覗き込むと、龍崎は本当に幼いこのように泣いていた。
「あの人がっっ・・・・。倒れてて・・・。口から・・・」
―――あの人・・?
私は嫌な予感がして、龍崎をその場において、家へと入っていった。
家の中は、外より暗く、光なんて何処にも無かった。
冷たい廊下を歩いていくと、リビングらしき部屋があった。
家族団らんの場所であるはずのリビングは、その役目を全く果たしていなかった。
電気はついていなくて、机の上にはいつのものかわからない弁当の空が散乱していた。
床は、何かわからないもので足場を無く埋め尽くされていた。
それを手にとって見ると、はさみか何かで細かく切られた写真のようなものだった。
「なに・・・ココ・・・。」
少し歩いていると足に柔らかいものがあたった。
見てみると、女の人が口から血を流してうつぶせに倒れていた。
きっと、龍崎が言っていたのは、この人。恐らく、龍崎のお母さんだろう。
「もしもし!聞こえますか?」
私は脈を測りながら、声をかけてみた。
かすかに、不安感が感じ取られるから、生きてはいると思う。
「龍崎!!病院に電話して!早く!!」
私は、玄関の方に向かって大声を出した。
「っ・・・。」
龍崎はまだ涙の引かない顔のまま、受話器を手に取る。
しばらくして、救急車が不気味な音をたてて来た。
龍崎のお母さんが運び込まれる頃、近所のいかにもうわさ好きそうなおばちゃんたちが、集まっていた。
「龍崎?大丈夫?一人で乗れる?」
私は、龍崎に声をかける。
「・・・・・・ぁぁ。」
頼りない返事が来た。
「・・・・。しょうがない。」
私は、龍崎の手をとり、一緒に救急車に乗り込んだ。
その手は私より大きいのに、とても小さく感じた。
読んでいただき、ありがとうございます!
更新、遅くなり、申し訳ございません・・・。
はい!急展開しちゃいました!!
これからもよろしくお願い致します。