fourth story
人ごみの中、俺は神田の手を引っ張りながら足早に進んだ。
「ちょっと・・・。手痛いってば。」
後ろで神田がブーブー言ってるが俺は気にしなかった。
「次、右、左どっち?」
俺が神田に聞いた時、神田を掴んでいた手が振り払われた。
「っ!!・・・ごめん。でも、ここまででいいから。ありがとう。じゃっ。」
そういうと、神田は猛スピードで逃げていった。
「・・・」
俺は、新しいタバコに火をつけた。口にくわえたそれからは、一筋の煙が立ち上った。
『・・・わからずや!!っきゃっ!暴力振るなんて・・・。』
『うるさいって言ってるのに黙らないからだ!!』
朝、階段に足をかけた時、一階からあの人たちの声が聞こえた。
俺は何も思わない。
あのころは、よく3人で遊びに言ったりしてたのにな・・・?
それで、あの人たちがケンカするたびに隅で泣いてたのに・・・。
・・・はっ・・何処まで腐ってるんだろうな・・。俺は。
脳裏に、昨夜の神田の顔が浮かび上がった・・・。
あの顔は、きっとそのときの俺に似ていたのだろう・・・。
俺は、あの人たちのいる部屋を見ずに、外へでた。
朝の闇を抹消しようとするような太陽の光は、俺にはとてもまぶしかった。
そのまま、太陽を見ていたら、俺まで消されてしまいそうだった。
「・・・でな・・。・・・だったんだよ!!」
「まじか!!」
前には、中学生ぐらいの男子が楽しそうに歩いている。
自分が中学生だった時を思い出してみた。
・・・・なに1つ思い出せなかった・・・・。
それが少し・・・ほんの少しだけ、悲しかった。
ー最後に笑ったのはいつっだたか・・・?−
*続く*
読んでくださり、ありがとうございました!!
第4話です!!
こんな小説をご愛読してくださっている方々・・・果たしていらっしゃりますかねぇ・・?・・・とにかく、ありがとうございました!!引き続き見守っといてください!!