おまけの話〜2〜
『俺は、誘拐犯じゃないぞ?』
だったら、なんなんだよ・・・。
「俺はちょ〜カッコイイ、直哉様だ。ついでに、独身だ。」
「・・・・・」
直哉が言った言葉に何も返すことが出来なかった。
ただ、直哉が変人だということだけが頭を回った。
「なぁ・・・薬やって、何年目だ?その目じゃ、始めたばかりってわけじゃなさそうだしな。」
なんで、こいつはころころと話を変えるんだ?
何を考えてるのかわかりゃしねー。
「・・・・2年目。・・・なんだよ、説教しに来たのか?」
これまで、いろんな奴から叱られて来た。
止めろだの、体に悪いだの、これからの進路に関わるだの。
聞くたび吐き気がした。
お前らが守りたいのは、俺の体や進路じゃなくて、自分や学校の名誉なんだろ。
「いや・・・。俺は説教しに来たんじゃない。」
「じゃぁ、なんなんだよ。怪しいんだよお前。」
べチッっと、頭を叩かれた。
「なにすんっ「なぁ・・・《モンキィ》っていう薬、使ったことあるか?」
・・・・・はっ?
しばらくの沈黙の後いった言葉があれだった。
「あれな、すっげー効果あるんだぜ。知ってるか?」
俺があきれて物も言えないのに、直哉はべらべら喋っていた。
「・・・副作用もあるけどな・・・。」
声のトーンがいきなり落ち、見てみると直哉は、どこか遠くを見ていた。
「なぁ、なんで、薬使ってんだ?」
さっきまでの、雰囲気は何処に行ったのか直哉は笑いながらこっちを向いてきた。
「・・・・。」
俺は、直哉のテンションについていけれないのと、あまり言いたくなかったから無視することにした。
「無視かいっ、こら!」
直哉はまた、頭をぐりぐりしてこようと手を伸ばしたが、俺はその手を掴んだ。
「馬〜鹿。」
と、舌を出したら、直哉は血管を浮き出させた。
直哉はべりっっと俺の手を振り払うと、ニヤついた顔をした。
「・・・もしかして、彼女に振られたからとかじゃないよなっ。」
・・・馬鹿にされたような気がした。
「・・・アホか。」
俺は、精一杯睨みを効かせた。
「そんなんじゃない。」
言葉が出しにくかった。
直哉の目は俺の見ている。
直哉の目は俺の思考まで見透かしてる気がして嫌だった。
「もう帰るから。」
俺は、目をそらしたまま、歩き出そうとした。
つもりだった。
足が地面についていなかった。
脇のほうに直哉の腕が回っていて、俺はダッコされていた。
「ふふふ。逃がさないぞぉ・・・」
気味の悪い声に、悪寒が走った。
「俺の個人情報だけ聞いて、自分のは話さないつもりか!!」
俺は、必死に脚をバタバタさせたが、無理だった。
「どの辺が個人情報だよ!!」
「独身とか、独身とか、俺がかっこいいとか。」
「何処が個人情報だよ!!それに、お前が勝手に話したんだろ!!」
独身なんて、2回言ったし。
かっこいいとか、ナルシーだろ。
「うひっっ!」
耳元に違和感を感じた。
耳に息を吹きかけられた。
今度は全身に悪寒が走った。
「お前・・・まじ、いっぺん殺し・・・・?」
最後まで言い終わる前に、抱きつかれた。
「・・・つらいことあんだろ?言えよ。聞いてやるから。」
さっきまでとは明らかに違う声が、俺の体中をめぐった。
何かが、はちきれそうだった。
「・・・俺・・・・・・。」
言っていいのだろうか?
何がかは、分からなかったけど、怖かった。
*おまけの話〜3〜へ*
読んでいただき、ありがとうございます!!
あした、もしかしたら更新できないかもです・・・。
出来たらします!!多分、夜になるかと・・・。
これからも、よろしくお願い致します!
アドバイスなど、いただけたら嬉しいです!!