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twenty eighth

家の外から話し声が聞こえる。


きっと、学校へ向かっている人たちの声だろう。



俺はまだ血のにじんでるコブシをじっと見た。


その手は、自分のものじゃないような気がしてきた。

痛いはずなのに、痛みを感じなかった。


おかしいんだろうか?

この体は、実は俺のものじゃないのかもしれない・・・。




・・・馬鹿だな・・・。


非現実的なことを考えて、現実から目をそらせようとしてることは分かっていた。


俺はこんなに、弱い人間だったのか?


悔しかった。




神田に会いに行きたかった。


何度も、制服に手を伸ばそうと思った。


でも、俺に会う資格なんてあるのか?と、思ってしまい手は動かなかった。



神田が泣いたのは俺のせいだ。

俺が泣かした。


どういう面下げて会いに行けばいいのか分からなかった。


もう・・・逢わない方が神田のためなのかもしれない・・・。







気がつけば、もう夕方だった。


窓から差し込んでくる夕日の光は弱々しく、消えてしまいそうだった。





結局、学校に行けなかった。

神田は本当に屋上で待っててくれたのかもしれない。


・・・いや、ありえないか・・・。



昔の俺ならまだしも、こんな俺を待っててくれる人なんていないだろう。




コトッっと、机から何かが落ちた。


煙草の空箱だった。


それも、今すってるタバコの前の種類の奴だ。

俺が初めて吸った煙草。



そういえば、アイツが進めたんだっけ・・・。

この状態の俺に唯一かまってくれた人間。




一回しかあってないけどな・・・。



少し、懐かしかった。










俺は屋上にいた。


「龍崎〜!ほらっ、カレーパン持ってきたんだよぉ!!」


神田が嬉しそうに俺に寄ってきた。


「見て見て!!これがねぇ・・・。」


いつかと同じように、カレーパンの種類を一つ一つ教えてくれた。


「なに?」


俺は、神田を抱きしめていた。

本当に自然に・・・。

何だか、神田が愛おしく感じた。



「・・・・なして。離して!!」


ドンッ!


と、胸を押され、俺は手を離した。


神田は、泣いていた。


「・・・・龍崎なんて・・・だいっ嫌い!!」


そういうと、神田は走り出した。


「・・・・神田!!」


俺も追いかけたが、かんだとの距離はどんどん広がった。


「止まれぇーー!」


屋上にいたはずなのに、いつの間にか周りは真っ暗だった。



「かんだぁぁぁぁぁぁ!!」





・・・・目に映っていたのは見慣れた天井だった。


「・・・・また、夢か・・・。」




               *続きます*

読んでいただきありがとうございました!!

馨君危ないですねぇ・・・。

もう、うなされちゃってます・・・。


明日更新できれば、おまけの話かいちゃおうと思います!!

お楽しみにぃ・・・


これからも、よろしくお願いしますvv

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