twnty fourth story 夢
「馨。こっちよ?」
「馨、一緒に野球しに行くか!!」
目の前には、優しく笑ったあの人たちがいた。
そして、俺は高校生のはずなのに、体はあの、幼稚園の頃のままだった。
・・・・・、今までのことは夢だったのかもしれない。
まだ、俺は高校生になってないのかもしれない・・・・。
「おかぁ・・・・」
―ガッシャーン―
あの人たちのもとに駆け寄ろうとしたとたん、何かが割れる音がした。
音に驚いて、俺は振り返ってしまった。
「なんで、そう、自分勝手なのっっ!!」
「誰のおかげで、飯が食えると思ってんだっっ!!」
―あれ・・・?―
さっき、目の前にいたあの人たちが・・・いま、俺の目の前で喧嘩している。
嫌だ、嫌だ、喧嘩しないでよ・・・。
「おかぁさん・・・助けて・・・。」
優しく笑っていたおかぁさんに助けを求めて、振り返った。
でも、そこにはもう、誰も居なかった。
前には、ただ真っ暗な空間が続いてるだけだった。
「もういやっっ!!」
「俺のセリフだっ。」
あの人たちの声がだんだん大きくなってくる。
「うわぁぁぁぁ」
俺は、あの人たちの声から逃れたくて必死で走った。
暗く、何処に続いてるか分からないその空間を。
「馨の面倒私にばっか任せて・・・。」
「しょうがないだろ!仕事なんだから。」
どれくらい走っただろう?
息も途切れ途切れで、足がガクガクする。
たくさん、たくさん走ったのに、あの人たちの声は消えなかった。
・・・それどころか、大きくなっていた。
俺はその声に飲み込まれそうで、さっきよりも必死に走った。
でも、俺が走れば走るほど、声は大きくなった。
そして、その声に飲み込まれた。
俺の周りで、あの人たちの声がグルグルグルグルまわる。
・・・・耐え切れなくなり、俺はその場にしゃがみこんだ。
「うっ・・・嫌だっ・・・・・・!!」
目を開けると、そこは俺の部屋だった。
体も、高校生だった。
あれは・・・・夢だった。
「っくそっっ。」
ぼんっと、布団を叩く。
ココ最近毎日といってもいいほど、同じ夢を見る。
そのつど、目が覚めたとき、体中に汗をかき、頬には水が伝っている。
なんで、こんな夢を?
もう、止めてくれよ。
――怖い。寝るのが怖い。―
*続きマス*
ちょと(だいぶ)ダークですね・・・。
読んでいただき、ありがとうございました!
今日は、休みなのでもう一話書こうと思ってます!!