twentyfirst story 私と、友と・・・。
龍崎が屋上に来なくなった。
きっと、私のせいだ・・・。
初めて恵里を屋上に連れて行ったとき、龍崎から深い悲しみを感じた。
もしかしたら、あの時、龍崎は話を聞いてもらいたかったのかもしれない。
・・・。
そうだよ。だから、龍崎はあの時恵里に「帰れ」って言ったんだ・・・。
なのに・・なのに、私は・・・・。
後悔した。
せっかく、龍崎と仲良くなりかけてたのに・・・。
龍崎が、遠く感じてしまった。
私は、今日も屋上へ行く。
居ないって、居るはず無いって、分かっててもカレーパンの袋を持って屋上へ行く。
私の隣には恵里はいない。
龍崎が学校に来なくなってから、恵里も屋上に行かなくなった。
重いドアを押す。
そのとたん、暖かな光が私を包んだ。
その光の中に・・・・。
龍崎は、居なかった。
「あ〜あ・・・。カレーパン、こんなに一人で食べれないよ・・・。」
袋の中をのぞきながら言う。
私は、崩れるようにその場に座った。
空はいつものように青くて、何だかムカついた。
「なお〜!!」
聞き覚えのある声が、ドアの方から聞こえた。
「優香!どうしたの?」
振り返ると、上の方に束ねた長い髪を揺らしながら走ってくる優香が居た。
「ううん。別に用は無いんだけどさ・・・。最近、奈緒元気ないじゃん?それに、ぜんぜん一緒にお昼食べてくんないし・・・。」
その顔からは、あまり笑みが無く、本当に心配してくれてるようだった。
「・・・大丈夫だよ。優香が心配してくれるなんて・・・。明日は槍でもふるのかな?」
「・・・・・・・・失礼な・・・。」
そういえば、この1、2週間は、屋上でご飯を食べていたため、優香たちといしょに食べていなかった。
「そういえば、恵里は?」
「恵里は、生徒会の集まりだって。」
そっか、恵里は書記だった。
優香が、私の隣に腰を下ろした。
くっついてるわけじゃないのに、暖かく感じた。
「ねぇ・・・。優香は知ってるの?恵里の好きな人。」
聞いたからといって、何をするわけでもないけど、相談したかった。
「うん。龍崎でしょ。」
―ズキン―
分かってるはずなのに。知ってるはずなのに。
胸が痛むのはなぜだろう?
「で?奈緒はどうなの?」
「えっ?」
優香のよく意味が分からない言葉に、私はすっとぼけた声を出してしまった。
「奈緒も好きなんじゃないの?龍崎のこと。」
【私が龍崎のことが好き】
何度も考えては、答えが出なかったこと。
それは、今も同じで、頭がよく回らなかった。
「私が、気づいてないとでも?」
ふと見た優香の顔にはいたずらっ子のような笑みが浮かんでいた。
「・・・・・よく・・・分からない・・・。」
やっと出てきた言葉は、それだった。
*続きます*
昨日、風邪でDOWNしてました・・・(;H;)>
はい。読んでいただき、ありがとうございました〜。
ちょっと、今まで書いた小説のサブタイトルを、まとめて行きたいとおもいま〜す!。
これからも、ごひいきにしていただけたら嬉しいです。