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君を想う夜  作者: 水原 凛
It is broken
21/24

 夜9時。

 暁は再び、穂乃香のマンションの前に来ていた。

 穂乃香が藤原と二人で定時退社して以来、仕事が全く手につかないのだ。

 

 (遅い。遅すぎる…。)

 まさか穂乃香があっさり藤原とどうこうなるとは思わない。だが、金曜日の晩の自分の態度…。

 (あれは、そんな簡単に許されるようなことではない、な。)

 そう思うとますます落ち込んでくる。

 今日だって仕事中に一度も、穂乃香と視線が合わなかった。

 (というより、視線を合わせてくれなかったもんな。)

 いつもなら、時たま自分に視線を合わせては嬉しそうに微笑んでくれるのだ。

 勿論、そう頻繁ではない。―――だが…。

 (それでも、時折でも視線は…。合っていたのだ。)

 今日視線が合うというのは、穂乃香に告白しようとしている(であろう)藤原ばかり。

 時折、穂乃香の様子をそれとなく見ていると、何回かに一回は藤原のほうも穂乃香を見ている。

 

 ―――金曜日の出来事を、まるっと消してしまうことが出来たなら…。

 そうこの4日間、毎日思っている。

 もし、金曜日にあんなことがなければ、面と向かって

 『藤原と二人きりで会わないように』

 そう告げることが出来ていたのに…。

 それを言えなくさせたのは、他でもない、自分の行動のせいなのだ。気持ちがはやるあまり、穂乃香の気持ちなど考えずに事に及ぼうとした。

 あのまま、自分の欲望のまま穂乃香を抱いていれば―――穂乃香はその時きっと、恐怖しか感じないことになっていたはずだ。あれは、恋人たちの営みなんかじゃない。ただの…暴力でしかなかっただろう…。

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