22話「なんとかドラゴンを撃退したい②」
お久しぶりです、かなりえずきです。二泊三日で旅行に行っていたため、更新が止まっていました。今日からまたいつものペースで投稿していこうと思います。読者の方も増えてきていて、作者としてもうれしい限りです。今後も応援よろしくお願いします。
「エイ、ロン様から手紙が届いています」
「あら、ほんと」
エイはサラから手紙を受け取る。封筒には赤色の朱印とともにロン・ポランと書かれていた。
「...かなり私のことを心配してるわね」
ロンからの手紙は、主にエイへの心配で構成されていた。ご飯はちゃんと食べているのか、規則正しく生活しているか、などなど...
「返事はなさらないんですか?」
「ん?まあ、いいわよ。どうせ明後日には帰ってくるんでしょ?すぐ会えるわよ」
エイはロンからの手紙を畳みなおし、封筒に入れる。しかし、相変わらず人への気遣いばかりの子だ。あの話のことはもう忘れてしまったのだろうか。
「これは、帰ってきたらもう一回話をした方がいいかしら」
エイは背伸びをし、外を見やる。きれいな星々。ロンも向こうでこの夜空を見ているのだろうか、ふとそんな考えがエイの脳裏によぎったのだった。
「打て!」
夜空に光が流れる。夜空を撫でた一線の光は、空を飛ぶドラゴンたちを照らし出した。これまで討伐してきたドラゴンに負けず劣らずの大きさ。しかし、とりわけ隊員たちの目を引いたのは...
「あれは...鎧か!?」
ドラゴンの体には皮と鉄でできたような装備が施されている。普通のドラゴンではない。それは誰の目から見ても明らかだった。
「ひるむな!魔法部隊!」
電気が空を舞い、ドラゴンに命中する。だが、ドラゴンたちは止まる気配を見せなかった。
「やはり物理攻撃でなければ効きにくいか...まずはあいつらを地面へ叩き落すぞ!」
夜空を電気魔法が飛び交う。その様子は、さながら流れ星のようだった。
「ハリスさん!僕らも応戦を!」
ロンが魔法を出そうと手の平をドラゴンに向ける。
「...あり得ない」
しかし、ハリスはドラゴンを見つめたまま固まっている。そして、意味深な言葉をつぶやいた。
「あいつらドラゴンじゃない...人だ」
通常、ドラゴンは知性的な生物ではない。かつて、人間がドラゴンを飼いならそうとしたこともあったが、ことごとく失敗した。長年の研究の結果、騎士団はドラゴンを使いこなす”倫理的な”方法はないと判断した。では、ドラゴンを意のままに操るにはどうすればいいか。その答えは...
「ハリスさん!」
瞬間、ロン達の頭上を、赤い光がかすめる。そしてロンたちの背後で爆発した。
「ドラゴンが...魔法を使ってる!?」
ドラゴンの目の前に展開される魔方陣、そこから繰り出される閃光が地面をえぐっていく。蹂躙。それ以外の言葉で、この状況は言い表せれないだろう。
「っ...!ロン!俺らも魔法を展開するぞ!」
ハリスは我に返り、ロン達に指示を出す。
「分かりました!ボルテクション!」
たちまち入道雲が表れる。そして、放たれた轟雷は、ドラゴンたちを間違いなく貫いた。そう、貫いたのだ。
「効いて...ない」
ドラゴンたちはロンの魔法に怯むどころか、傷一つついていなかった。
無傷。あり得ない。しかも、魔法自体の規模は、隊長にも負けず劣らずの威力だった。
「まさか...魔法の無効化...」
ヒナがぽつりとつぶやく。
「ご明察!」
突然、後ろからロン達に声をかけるものがあった。顔にはカラスのような面、服装はタキシードのようだ。そして、そのカラスをハリスは瞬時に弓で打ち抜いた。
「...!」
「ああ、すみません!まだ名乗っていませんでしたね!」
しかし、カラス男は矢を指先で止めると、何事もなかったかのように続ける。両手を広げ語るその姿は、エンターテイナーを思わせた。
「私はモーティス!魔術師兼、技術士兼、魔法研究者兼....ロン.・ポラン、あなたの生みの親です!」
カラスの面が星に照らされ、不気味に光っていた。




