ご 第二のフラグ破壊
今日も今日とて僕は本を読む。
…だって他にすること無いからね。テレビも漫画もスマホもゲームも…なーんにもないからね。
「ふぅ面白かった。六属性の相互関係…うん、読み応えあったね。明るいうちに明日の分の本探しに行こうかな」
「ではわたくしも」
「いいよ来なくて」
付いてこようとする侍女を置いてさっさと部屋を出る。
貴族家の子供には侍女やら侍従やらお付きの大人がいっぱい居る。
もう少ししたら家庭教師なんかもつくんだけど、はっきりいって僕には必要ない。だって僕ってば中身は十六だからね。
着替えだってもちろん自分でできるし…いやその、手が小っちゃくて指が短いから手間取るけど…でもできてるし。
お風呂だってもちろん自分で入れる。っていうか、誰も来ないでほしい!恥ずかしいに決まってるじゃん!
どうしても侍女とお風呂は嫌だって言ったらお兄様が御一緒するようになったけど…だから一人で入れるってば!
あとごはんだって汚さずこぼさず食べられる。大人顔負けのテーブルマナーにお母様は大変喜んでらした。
そんな僕に家庭教師ったって、僕は七歳にして多分、理数に関してはこの国でもトップクラスのレベルだ。
国語も…転生チートで読み書きには不自由しないようになってるから…読解力さえあれば問題ないけど、マンガ好きだった僕は読解力の塊だ。
歴史や地理を含めた社会学だって…受験で鍛えた僕の丸暗記術ならちょろいもんだよ。コツがあるんだよ。コツが。
先生か…何を教えてくれるつもりなのか…要チェックだ。
さて、本館からミュージアムを通り抜けた先にライブラリはある。図書室の概念が壊れそうなど広く大きいライブラリ。
上へと延びる螺旋階段の中央はどーんと吹き抜けになっている。
ここの地下あたりに厨房や食糧庫、洗濯室なんかに加え、下級使用人の大部屋とかが全部集まってるんだけど…なんかまた騒がしいな。
今日は別に大きな集まりも無いはずなのに毎度毎度何やってんだろう?
階段を降りると、またまた見てはいけない光景を目にしてしまった。
ぎゃーーー!!!アリエスが這いつくばって床掃除してるーーー!
「あーあーあー!何させてんのー!!!」
「お坊ちゃまいけません!このような場所に来られては」
「ならこの子はなんでここにいるの!侯爵家の息子だよ?」
「奥様が使用人としてここへ寄こしたのです。さぁ、坊ちゃまこちらへ。手を」
パシン!
僕は伸ばされた手を振り払い、おもむろにアリエスの手を取った。
「確かおじさまの離れが使わず放置してあったはず」
「坊ちゃまどちらへ向かわれるのです!」
「奥様に叱られます!その子供をお返しくださいませ!」
つーんだ!
これは転生以前の記憶だ。
今は亡きお父様のご友人、ディビッドさんが療養のために住んでたという離れ。テオドールは散歩がてら探索したっぽいんだよね。
この記憶のままなら、あそこは幽霊屋敷みたいにはなってたけど部屋数も十分だし家具もそろってるし小さな家事室だってついてたはず。
「あ、あの、待って」
「うるさいっ!」
あの展開はヤバ味コース一直線だ。
お家お取りつぶしコースを回避すべく、僕はアリエスの手を引っ張り有無を言わさず連れていく。
「こんな所で使用人みたいに扱き使うなんて…」ブツブツ…
テンプレが過ぎるでしょーが!
そんなことしたらバッドエンドまっしぐらじゃん!…主に僕が。
冗談じゃない!お母様には良く言って聞かせなければ!
「ほらここ」
「え…?あ、あの…」
「あとでぼくの使用人寄こすからここ使って」
「だけど…、おにい…あ、すみません、て、テオドールさま…その」
「呼び方なんかなんでもいいけど僕はここに来ないし、お母さまとお兄さまも来させないようにするからここで好きに暮らしたらいいよ」
「けど!」
「…言っとくけど…今度また使用人みたいなマネしたら許さないからね!」
さてどうするか。こうするか!
部屋へ戻って侍女たちに離れでアリエスの世話をするように言いつける。
「そのようなこと勝手に決められてはいけません」
「侯爵様かせめて侯爵夫人の達しがなければ私共はうごけませんよ」
「むむむ…うるさいうるさいうるさーい!ぼくがいいって言ってんだからいいの!お母さまには僕から話すからっ!」
ガンガンに癇癪起こす僕。僕は前世でも言ったらきかないわがまま息子だったし(小さい時だよ?)こう見えて筋金入りなのだ!
「そうまで言われるのでしたら…」
「早く行って!」
ふぅ、やれやれ。これで二つ目のフラグも無事回避できただろうか…




