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悪役令息設定から逃れられない僕のトゥルーエンド  作者: kozzy


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いち ゲームの世界

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿します。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


ある日目が覚めた僕は自分がお姫さまみたいなベッドに寝てることに気がついた。

ベッドの四隅には柱が立っててヒラヒラしたカーテンが付いている。


「えっ、何ここ?イタ!」


あ、頭がズキズキする!

それでも何が起こってるか知るため、痛む頭を押さえながらもふらふらとベットから起き上がった。


…知らないベット…でも病院とはとても思えない。


まるで外国のお城にあるような家具の置かれた広くて豪華な部屋。


「家族旅行に来た覚えもないんだけど…ん?あれ?」


ふと目に入る手がいつもより小さく見える。


サァァァァ…嫌な予感。


僕は鏡を探してやっぱり明らかに小さくなった足で慌てて部屋を飛び出した。




最後に残る記憶…あれはえっと…


そうだ。あの日は確か高校の入学式。式が終わり教科書を買いお母さんと別れて僕は一人で本屋に向かってたんだ…




お金持ちとまでは言わないけど、そこそこ裕福な家に生まれた僕は、お菓子作りの得意なやや過保護気味のお母さんと、アウトドアの大好きな子煩悩のお父さんに散々甘やかされて育ってた。


ふふん、それだけじゃないよ?


大好きな物知りのおじいちゃんは僕をどこにでも連れて行ってくれるし、園芸好きなおばあちゃんはなんでも買ってくれるし、田舎の方のおじいちゃんおばあちゃんだって僕が頼んだら何でもしてくれる。


みーんなに可愛がられて育った僕はまさに小さな国の王子様。


そんな僕には一人だけ姉弟がいる。それが三つ上のお姉ちゃんだ。

ちょい腐女子なお姉ちゃんはこの間十八歳になり、「ようやくR18解禁!」と気勢をあげていた。


そんなお姉ちゃんの影響で僕はちゃくちゃくと腐男子への道を歩み始めていた。



本屋…本屋…、そうだった。


あの日かばんの中にはおじいちゃんとおばあちゃんに別々で貰った入学祝が入ってた。分厚い財布の中身に僕はホクホクしてたっけ。


それで本屋に向かってたんだ。最近人気のBLゲーム【みらくる学院☆星☆の王子様】全年齢向けバージョン、通称【みら学】、コミカライズの発売日だったから。


あのキャラやこのキャラの日常がスチル以外で見られるなんてって、僕はウキウキしてた。


このゲームもお姉ちゃんに勧められて始めたんだけどキャラデザが良すぎてあっという間にはまっちゃったんだよね。

それで受験が終わってからはいつもお姉ちゃんと夜更かしして協力プレイしてた。

だからとっくにほとんどコンプしてたんだ。ほとんどっていうのは隠しルートだけまだ行けてなかったからだよ。くやしいー!


そんなことばかり考えてたから足元見てなかったのかな?

歩道橋で足を踏み外したところまでは何となく覚えてる…



「あそこから記憶がない…まさか…」


鏡の中にいる僕は…幼い顔した外国の子供。ビンゴだ…

あーこれ…、多分よく見る異世界転生。歩道橋の下には異世界への穴が開いてたのか…マジか…


金髪にカラコンしたみたいな薄茶の目……


「金髪…高校デビューは予定になかったんだけどな…。でもなんか見覚えがあるような…」


ないような…


「テオドール坊ちゃま!お気づきになられたのですね!」

「誰か、奥様にお伝えして!テオドール坊ちゃまが目を覚まされたと!」


テオドール…それが僕の名前か。けどどっかで聞いたことあるような…


「テオドール!目覚めたのですね!ああ、どれほど心配したことか…。どこか痛いところはありませんか?気分はどうですか?」

「…おかあさま…」


心配そうに僕を見つめるきれいな人。

何故だろう…僕はこの人がお母様だって分かってる。

…っていうか自分!お母様ってなに!お母様なんて単語今まで使ったことないじゃん!


でも頭の中にちゃんとこの人と過ごした記憶が残ってる。

抱っこされたこと。子守唄を歌ってくれたこと。少し大きくなってからは一緒にお茶を楽しんだことも。

そうか、前世を思い出したからって今までの何年間がなくなったわけじゃないんだな。



そのきれいな人に手を引かれてベッドへと戻される。


「ねなきゃダメ?」

「テオドール、あなたは階段から落ちて頭を打ち三日間も意識が戻らなかったのですよ。お医者様に診せるまでは寝ていなくてはいけません」


おおっ!まさかの階段つながり。そのショックで前世の記憶がよみがえったのか。


それにしても…


なんか…なぁんか見覚えがあるんだよね…。なんだろう、さっきから感じるこの既視感(デジャブ)


「奥様、侯爵様がお戻りでございます。ハインリヒ様もご一緒でございますがいかがなされますか?」

「旦那様もテオドールを心配しておいででした。目が覚めたことを報告したうえで、ここに居ると伝えて頂戴」


ハインリヒ…、これも聞き覚えがある…。テオドール…ハインリヒ…うん?え?ええ!まさか!まさかだよね?


扉を開けて入ってきたのは…そう、やっぱり記憶が告げる、この人はお父様。そしてその後に続くのは…


げぇぇぇっ!やっぱりぃ!

ハインリヒ・レッドフォード、彼はテオドールの義理の兄だ!


コイツ…【みら学】に出てくる悪役令息のお兄さまじゃん!ちょっと若いけどこの顔間違いない!ってことはこのテオドールって…テオドールって…


はいビンゴー!悪役令息ーーー!!!


はああぁぁ…顔が幼なすぎてわかんなかったよー!今何歳だこれ?五歳?六歳?いずれにしてもだよ!




絶望的な気分で僕は布団に顔をつっこんだ。





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