眠れぬ夜に君と舞う
冷房がお風呂上がりの火照った身体を冷やしてくれる。
時計に目をやると10時を指していた。
僕はスマホを充電器に刺し、倒れるようにベットに寝転ぶ。
部屋の電気を消して10分、やかましい蝉の鳴き声が耳を支配する。
眠れない…
さらに10分程その状態が続いただろうか僕はベットから出て準備を済ませ、冷房のタイマーをかけ家を出る。
歩いて20分程度、町はずれの神社にたどり着く
階段を越えて鳥居をくぐるといつものように片想い中の巫女さんが舞を踊っている。
彼女のその流れるような舞に僕は毎回見惚れている。
僕は眠れない夜にこうやって彼女の舞を見に神社を訪れる。
もちろん僕以外に人はいない。というより舞の存在を知っている人自体少ないだろう。
彼女は今日もいつものように舞を踊っていたが舞を止めたかと思えば、彼女はこちらへ手招きをして一緒に踊ろうと言ってくれた。
眠れない夜がくるたびに見ていたから振り付けは覚えている。
彼女は僕の手を取って舞う。僕もその手を握り返す。
あぁこの時間がずっと続いてほしい。
とまだまだ時間はあるというのにそんなことを考えるほどその時間は楽しくて幸せで…
もしこの思いを伝えたらこの時間は、関係は終わってしまうのだろうか…
そう考えると告白する気も失せてしまう。
それならばこのまま片想いの舞を続けよう。
僕の覚悟が決まるその日まで
2作目は短編小説です。いかがでしたか?
この小説を書いた当の本人は恋愛とは程遠い人間ですから今回もこれからもリアリティなんて無いと思いますが…
それでもこの小説を気に入っていただければ幸いです。
ありがとうございました。