表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遥かな旅路、雲間の彼方  作者: 古代かなた
遥かな旅路、雲間の彼方
32/32

歩むひととせ - 春望

 そして、季節は巡る。

 村の全景を一望できる小高い丘に、フィアは一人佇んでいた。

 丘には淡い紫色の薫衣草ラベンダーが咲き誇り、花畑を清らかな香りで満たしている。


「……ロット君。今頃君は、どこでどうしているのかな?」


 瞳を閉じ、今は遠い空の下にいるであろう少年に思いを馳せる。

「わたし、頑張ってるよ。まだ師匠には全然敵わないけど、自分にできる精一杯の努力をしてる。いつか君が旅から帰ってきた時、恥ずかしくないように」


 ざあっ、と一陣の風が吹き抜けて、足元の花びらが舞い上がった。


「だから、ちゃんと無事に帰ってきて。約束だからね」


 春風になびく髪を押さえたその時、後ろから声がかかる。


「見つけたわよ、フィア。あちこち探したんだからね」

「すみません、師匠。どうしたんですか?」

「あんた宛てに手紙が届いてたから、持ってきてあげたの。差出人は――」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ