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遥かな旅路、雲間の彼方  作者: 古代かなた
遥かな旅路、雲間の彼方
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遥かな旅路、雲間の彼方 (2)

 フィアへ


 久しぶり。元気にしてるか?

 手紙なんて初めて書くから、何を書いていいか正直わからない。

 職員の人の話じゃ手紙が届くまで一月近くかかるらしいから、着く頃には春になってるかもしれないな。


 リーザの村を出て、もうすぐ一年になる。

 この一年、本当に色んなことがあったよ。色んな町や村に立ち寄って、色んな人たちと出会った。

 そうだ、シスター・マルテにも会ったんだ。マルテさん、フィアが元気でやってるって聞いたら、すごく安心してた。

 あの人も昔、フィアのお母さんに世話になったんだってさ。もし機会があれば、会いに行ってみるといいかもしれないな。


 旅で出会った人たちには良い人も悪い人もいた。楽しい思い出もたくさん出来たけど、どうしようもなく悲しくて、辛い別れもあった。

 そんな中でオレは、魔術という力がどういうものなのか、少しだけわかった気がする。

 魔術も人と同じで、使う者によっては良い結果も悪い結果ももたらす。ルタ様がオレを旅に連れ出したのは、それを教えたかったからなんだと思う。


 オレは今から、船に乗って大陸へと渡るつもりだ。

 メルヴィールやグランヒルト、それにフィアの故郷があるっていう自由都市自治領にも行けたらいいなと思ってる。

 これからも色々なものを見聞きして、色々な経験をしてみたい。まだまだ知らないことばかりだけど、きっと立派な魔術師になって村に帰るよ。


 何だか、自分の話ばかり書いてしまったな。

 フィアも元気でやってると嬉しいな。もっとも、あの人が師匠なんだから修行の心配はいらないかもしれないけれど……。


 それじゃ、またな。

 他の国からでも出せそうなら、また手紙を書くよ。

                                ロットより

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