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初枝ふぁんたじい  作者: 宇治崎
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カヅキお嬢様視点1

~カヅキお嬢様視点~


 ナイトの様子がおかしい。記憶を失っている以外は特に異常が無いと医者から診断されたけれど、いつもオドオドして人の顔色ばっかり窺っているような奴だったのに、まるで人が変わったように堂々と物怖じしない態度でハッキリ発言するようになった。ただ、口調は老人みたい……。

 それに、人の言わんとしてることも察することが出来ない苛々する鈍臭い感じだったのに、テキパキ動いて私の先を行く……これはこれで逆に苛々するのだけれど。

 別人みたいになっちゃったのに、異常が無いなんてありえないわよ。そもそも何故記憶を失っているのかがまず不可解よ。


「ナイト。前のとは違う医者を呼んだから診てもらいなさい。今日はもう仕事はいいわ」

 ナイトは「はあ」ととぼけた声を出したかと思うと「この身体になってから持病も無くなりスッカリ健康で……鉛の様に重かった身体が……」と、こっちの頭がおかしくなりそうな程話してきた、記憶を失う前は如何に不便であったかの話を話し出そうとしたので「それはいいから!」と慌てて制す。この話が始まると長いのよ……早くに止めないと聞く耳持たなくなって最後まで話しちゃうし……。

「……体調が良好なのは分かったわ。ただ、何度も言うけれど記憶を失う前と全くの別人のようだから、他に悪いところが無いか心配なのよ。医者が変われば診断も変わるかもしれないでしょ?」

 ナイトは悲しそうな顔をして「無駄じゃ」と言う。何でそんなにキッパリ言えるのよ。

「ワタシはおかしくなどない」

「そう言う人が大抵おかしいのよ。これは命令よ? 分かった?」

 ナイトは心底不服そうなジトッとした視線を私へ向けてゆっくり頷く。私のことを主人だって分かっているのかしら? 威厳が失われたようでこちらこそ腹立たしい気持ちだけれど、ぐっと堪える。ナイトが内心心配だから? それとも何故か逆らえないような雰囲気を感じるから?

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