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お題シリーズ6

争いの時代と弱者の国

作者: リィズ・ブランディシュカ



 慈愛の医師団は、魔法王国から出てがっかりしていた。

 思ったような結果を出せなかったからだ。

 今回の仕事で助けられた人間達は少ない。


 科学王国、神聖帝国、妖精大国。

 人間、機械人、妖精、神人。


 様々な国の、様々な種族。

 全ての人を、ただ助けたい。

 その一心で、慈愛の医師団は活動していた。


 しかし彼等は嘆く。

 弱い者から死んでいく。

 助けたいけれど、自分達はそんな弱い者達のいる場所へ行けなかった。


 医師団には旅をするための許可証が交付されていた。

 しかし、弱い者達にいる場所へ通行する事は許されなかった。


 弱い者達のいる場所は、だれだって、見せたくない。

 医師団がスパイになる事を懸念した各国は、助けてほしい人達だけを助けさせて、本当に弱っている人達を助けさせようとはしなかった。


 だから慈愛の医師団は、分裂した。


「このままでは埒が明かない。俺達は弱い者達でも助けられるようにしたいんだ」

「だからといって、目の前で助けを必要としている人達を見捨てるわけにはいかない」


 一方は、弱い者達を助ける理想の国を作るために旅立った。

 もう一方は、各国が助けてほしいという人達も助けるべく奔走した。


 そうして、何十年か経った時。

 一つの国が出来上がった。


 助けられないはずの弱い者達を拾い上げるための国が。


 許可証などなくとも自由に行きたい場所に行けるーー


 人知れず弱者を救い上げる浮遊大陸の国が。



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