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アルのお土産 18

不定期な更新ですみません!

私は、すぐさま、アルの手から種をうばいとり、水の入った器につっこんだ。


そのとたん、ゆらゆらと黒い粉が流れて、はがれていく。

黒い粉が完全に流れ落ちた種を、器から外へだした。


しっかりタオルでふきとると、赤い色に、黒い紋様みたいなものがうきでた種がでてきた。


「アル! ほら、見て!」


アルがのぞきこんで、はっとしたように私を見た。


「これ…、あの時の種に似てるな…」


「あ、そうだ! ちょっと待ってて!」


「ライラ、どうした?!」

と、心配そうなアルの声を背に、私は部屋から飛び出して行った。


自分の部屋に行くと、ひきだしをあける。

そこから、木箱をとりだして、応接室に戻った。


そして、箱のふたをあける。


「ぎゃあっ、なにそれ?! ものすごい不気味なんだけど…?!」


のぞきこんでいたジュリアンさんが悲鳴をあげた。


箱からだしたのは、私のにぎりこぶしより、少し小さいくらいの、結構、大きな種。

赤い色で、表面は、でこぼこしている。そこに、黒い紋様みたいなものが、いくつも、うきでていた。


さっきの種と並べてみる。


大きな種は、少し、どす黒い赤さ。

確か、もとは血のような赤い色だったよね。

あれから、1年半くらいたったから、黒ずんできたみたい。


それに比べて、今とれた種は、まさに、血のような赤。

黒い紋様のようなものは、種の大きさが違うから、多少違って見えるけれど、似ている。


私は、他の種もとり、いくつか水の中で洗ってみた。

どれも、赤い色に黒い紋様。大きさや、ゆがみに違いはあるけれど、どれも似ている。


「で…、その不気味なのは、一体、なに?」

ジュリアンさんが、大きな種を凝視しながら言った。


「これは、コリーヌ様についていた邪気をすいとった時に、とれた種なの」

と私が答えると、ジュリアンさんが驚いたように目を見開いた。


「え? コリーヌ様?!」


「ああ。母上が、以前、ここへ療養にきてただろ? まあ、それで、俺はライラに出会えたわけだが」


「あっ、そういえば…。原因がわからない頭痛で療養されていたよな。…って、じゃあ、それを治したのもライラちゃんだったの?!」


「私は病気を治したんじゃなくて、邪気をとっただけなんだけどね」

と、訂正をいれる。邪気はとれても、私に病気は治せないから。


「だけじゃない。ライラには、母上を救ってもらった。あのままだったら、ひどくなる一方だったから、どうなっていたことか…。母上は、口癖のように言ってるぞ。『ライラちゃんに出会えて、本当に幸せよね』って」


「え、ほんと?! コリーヌ様にそう言っていただけるなんて嬉しすぎる!!」

思わず、顔がゆるむ。アルが不機嫌そうに言った。


「あのな、ライラ。俺もライラに出会えたことは幸せだ。というか、母上より、俺のほうが、くらべものにならないくらい、もっともっと幸せだ!」


ぷっと、ジュリアンさんがふきだした。


「ダメだ。笑える…。アル、何、コリーヌ様と張り合ってんの…? ほんと、ライラちゃんといると、完璧王子だったアルが、どんどん、おかしくなるな…。いや、ほんと、笑える!」


「俺は、ライラといられて幸せだから、好きなだけ笑え」


「はあーっ! なんだ、それ? …俺が先にライラちゃんに出会ってたらなあ!」


「先だろうが、結果は変わらない。ライラが好きになるのは俺だ」


「おい、真顔でのろけるなよ…。変な女に邪気をつけられた自分が、かわいそうになるだろ…」


「それは自業自得。俺とライラの幸せとは無関係だ!」


「きー! なんだ、その言い方! 腹立つ!」

と、言い争ってるのか、じゃれてるのかわからない、親友2人。


仲がいいのはわかるけど、今は、種に集中してよね!


読んでくださった方、ありがとうございます!

ブックマーク、評価、いいねもありがとうございます! 大変、励みになります!

今回のコリーヌの邪気をとった時の話は、本編にあります。

時間があいてしまっているので、読みづらかったらすみません!


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