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コリーヌ様

今日、2回目の投稿になります。

今日は、アルのお屋敷に遊びに行くことになった。

アルのお母さまのコリーヌ様が、私をお茶に招待してくださったから。


が、私の両親と執事のジュードは、心配して頭をかかえていた。


あのね、私だって、ちゃんとしようと思えば、貴族令嬢らしく、きちんとできるよ?


ということで、朝から、よそいきのふわふわしたドレスを着せられ、金色のくりんくりんのくせ毛の髪も、きれいに結んでもらって、しっかりと貴族令嬢らしい装いだ。


手土産をもたされて、いざ、お隣のお屋敷に出発! 

そして、ものの数十秒で到着。


アルが玄関で待ってくれていたが、私を見たのに珍しく無言だ。


もしや、何か変なのかな?


「ええと、アル。私、きちんと貴族令嬢に見えるよね?」

不安になって、確認する。


フフッと笑い声がした。見ると、すごく美しい女性が立っている。


「いらっしゃい、ライラちゃん。私がアルフォンスの母のコリーヌです。

今日は来てくれてありがとう」


突然のコリーヌ様の登場に、緊張してしまい、

「はじめまして、ライラです。お招きいただきまして、ありがとうございましゅ」

と、最後にかんでしまった。


プハッとふきだして、

「そこでかむか、普通?」

と、笑い出したアル。


黙ってたくせに、しゃべったと思えば、ほんと失礼だね?


とはいうものの、コリーヌ様の手前、恥ずかしくて真っ赤になってしまった。


そんな私を見て、コリーヌ様が、

「さっき、アルが黙ってたでしょ。あれはね、ライラちゃんが、かわいくってびっくりしたのよ」

そう言うと、いたずらっぽく微笑んだ。


「なっ…、そんなことない!」

アルが叫ぶ。耳が赤くなっていた。


耳が赤いアルと顔が赤い私。

どっちも同じだからいいか…。


それより、気になるのは、コリーヌ様の頭に黒い煙が見えること。

そして、コリーヌ様の顔色も悪い。


私は邪気だけを取るから、病気自体を治すことはできないけれど、この黒い煙は濃いから、取ったら少しは楽になりそう。


案内してくださるコリーヌ様のすぐ後ろを歩きながら、さりげなーく、自分の両手をあげ、コリーヌ様の頭にむかって自分の手のひらをむけ、すこーしだけ動かしてみる。


これで、取れるかな?


歩きながら両手を自分の頭くらいまで上げてるから、かなり不審かもしれないが、誰も見てませんように…。


と、思った瞬間

「両手をあげてどうした。ライラ、もしかして…、頭がかゆいのか?」

と、アルが聞いてきた。


「え?! あ、…う、うん。ちょっと、慣れない髪型で、かゆいかな?」

と、言いながら、両手の甲で頭をさするようにする。


っていうか、アル! そっちのほうが変でしょ?! 

私の能力を知ってるんだから察してよ?


ほら、メイドさんたちが、かわいそうな子を見る目で私を見てるじゃない?


コリーヌ様がふりむいて、

「ライラちゃんって、おもしろくてかわいいわね」

と、にっこりと微笑みかけてくれた。


コリーヌ様の一言で、みんなの見る目が、かわいそうな女の子から、おもしろい女の子に一瞬にして変わった。


ありがとうございます! ここに、女神がいました!! 空気の読めないアルのお母さまとは思えない!


ということで、手のひらを見たら、小さな豆粒ほどの花の種ができていた。

あの一瞬で、少しは黒い煙が取れたということだ。


お招きされたお屋敷について早々、頭をかく貴族令嬢みたいに思われたけど、そのかいがあったね。


今日、帰るまでに、あの黒い煙をとってしまおう! 女神さまのために!

読んでくださった方、ありがとうございます!

ブックマーク、評価、いいねをくださった方、励みにさせていただいています。ありがとうございます!

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