表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/73

出会い

本日、3回目の更新になります。

挨拶も終わったし、怖くて面倒そうな王子様から、さっさと逃げようとしたら、

「ところでライラ嬢は、おいくつですか?」

と、王子様がお父様に聞いている。


「ライラは14歳になるのですが、いつまでたっても、幼い子どもみたいに外で走り回っておりましてね…」


まあ、いつものお小言だ。


「じゃあ、ライラ嬢は、ぼくの2歳年下だね」

私にむかって、意味ありげに微笑みかけてきた。


なんだろう、悪寒がした…。


そう思ったら、王子様はお父様にむかって、

「知りあいもいないので、年の近いライラ嬢に、この近くを案内してもらってもいいでしょうか? もちろん、護衛もつけますので」

と、お父様に言った。


え?! なんで、私?

ちょっと、お父様、断ってー! この王子様、怖いから!


私の心の叫びもむなしく、

「もちろんですよ、アルフォンス王子殿下。ライラ、ご案内してさしあげなさい」

と、お父様。

 

うっ…、うらめしい目で王子様を見ると、

「ライラ嬢、よろしくね」

と、さわやかに微笑んだ。が、やっぱり、目が笑ってない…。


結局、私と王子様、二人で応接室からでた。


「じゃあ、とりあえず、この近所だけ案内しますね」

私が言うと、


「案内なんてどうでもいい。そんなの嘘にきまってんだろ。それより、さっきは逃げられたが、話を聞かせろ。俺は、以前毒を盛られたせいで、たまに、あんな風に動けなくなるんだ。長年治らなかったのに、なんで、あの一瞬できれいになおったんだ? おまえ、何をした?!」

と、鋭い目つきで、上から私を見おろしてくる。


やっぱり、怖い…。さっきと全然違うんだけど…?


結局、近所を案内しているふりをして、歩きながら、私の能力を洗いざらい吐かされた。


人から受けた邪気をつけていると、黒い煙のように見えること。

その黒い煙を、なぜか、私の手がすいとれること。そして、すいとると、その人の不調が良くなること。

そして、すいとった邪気が、なぜか、私の手のひらで花の種に変わること。


「あのう。一応、家族と執事のジュードと信用のおける使用人しか知らないことなんですよ? 秘密にしといてくださいね…」

私がおそるおそる言う。


「まあな。でも、おまえ、本当に馬鹿だな。俺みたいに知らない奴を、あんなに簡単に治したら、すぐさま、ばれるだろ。隠せてないじゃないか。しかも、そんな大事な秘密、ぺらぺらしゃべるもんじゃないぞ。利用されるからな」

王子が、あきれたように私に言った。


「あのー、無理やり聞き出したのは、王子様ですよね?」


「ああ?!」

紫色の瞳が、ぎらっと光る。


本当に、この人、王子様なの?! 

見た目はすごい美形で、まさに王子様だけど、中身が怖すぎるよ…。


って、考えていたら、

「それと王子様じゃない。アルフォンスだ」

と、これまた、えらそうに言ってきた。


「アルフォンス…王子様」

私が復唱すると、


「じゃなくて、アルフォンスだ」

と、顔を近づけて、命令する。


真顔の美形って迫力があって、これまた怖い…。


「アルフォン…ニュ…様」


怖すぎて、思わず、かんでしまった。


あっと、口に手をやると、王子様はふわっと笑った。

さっき、お父様の前で見せてたような、うさんくさい完璧な笑みではなく、素で笑ってる。


そっちのほうが、ずっといいのに!


「じゃあ、特別にアルでいい。アルと呼べ。わかったな、ライラ」

と、にやりと笑った。


こうして、私とアルは出会った。


早速、読んでくださった方、ありがとうございます! 

そして、ブックマーク、評価、いいねをくださった方、励みになります! 

本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ