表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/77

オレンジ色の髪の女性

今週末は、できるだけ更新したいと思っています。よろしくお願いします。

オレンジ色の髪の女性からでた黒い煙が、パトリックにたどりついた。

そして、首にまきつきはじめる。


私のいるところからだと、手前にパトリック、その向こうにオレンジ色の髪の女性がいる。

なので、目に入ってくるのは、オレンジ色の背景に、黒く細長いものなんだけど…。


ん? この光景って、見たことがある!


私はあわてて、バッグをあけて、さっきパトリックから取った花の種をとりだした。


オレンジ色に黒いリボンのようなものがまきついてる。

そう言えば、この前、パトリックが私の家に来た時、取れた花の種もこれと同じだった。


この女の人からつけられた、邪気だったんだ…。


そして、今も、黒い煙が、パトリックの首に幾重にもまきついていっている。


パトリック、さっきもこの黒い煙に首をしめられて、苦しそうだったもんね。

相当、強い邪気よね。


パトリック、この女性に危害を加えられるほど恨まれてるのかな?


でも、黒い煙の動きを見ると、今は、パトリックにからみついて、自分のほうへと、ひきよせようとしてるみたいに見える。恨みよりも強い執着みたいな…。


二人の関係も、理由もわからないけど、さすがにこのままだと、パトリックが危ないよね。

なんとかしなきゃ…。


でも、他の人に言っても、信じてもらえないだろうし、どうしよう…。

やっぱり、私が止めるしかない。


その時、オレンジ色の髪の女性が、パトリックのそばに立った。

パトリックの表情は見えないけれど、女性からでる黒い煙が、パトリックの首だけじゃなく、全身にまきつきはじめた。


私は、そーっと近づいていき、さりげなく、パトリックの背中に手をかざした。

後ろ側だけでも、黒い煙をすいとろうと思ったからなんだけど…。

離れすぎていて、上手くいかない。もっと、近づかないとダメだ。


私は、気づかれないように、二人に少しずつ近づいていく。


その時、オレンジ色の髪の女性が、私の方を見た。


うわあっ!


一気に黒い煙が、波のように押し寄せてきた。私は、とっさに、柱の陰に隠れた。


なにこれっ! こんな黒い煙、見たことないんだけど! 

鳥肌がたった…。


自分の全身をさっと確認する。泥がはねたように、邪気が少し、ひっついている。

私は手のひらを自分にむけて、邪気をすいとった。

幸い邪気は少しだけだったので、手のひらに現れたのは、オレンジ色に黒い線が入った小さな豆のような種だけだ。


とにかく、パトリックを助けなきゃ…。


息を整え、柱の陰から、おそるおそる顔をだした。


二人はまだいる。


用心しながら、様子をうかがっていると、オレンジ色の髪の女性が私の方を見て、にやりと笑った。

そして、パトリックと腕をくむ。

パトリックがあわてて、振り払おうとしてるみたいだけど、振り払えないようだ。


そりゃ、そうよね。

だって、あれだけ黒い煙でがんじがらめにされてたら、身動きとれないもんね…。  


オレンジ色の髪の女性は、パトリックにもたれかかるようにして、顔をよせる。

仲睦まじい二人にしか見えない。


まわりが一気にざわつきはじめた。


「…公爵家の次男が連れてるあの女性はだれだ?」


「さっき紹介された女性と違うわよね。愛人…?」


「こんな大勢の前で、どういうつもりなのかしら」


「もしかして、婚約破棄とか…」


「婚約者が、かわいそうだろ」


「公爵家の次男は、優秀な兄とは全然違うな」


いろんな声が聞こえてくる。

が、今は、それどころじゃない。


例え、パトリックがあの女性が好きだとしても、身の危険があるのを放ってはおけないもんね。 

だって、あの邪気は普通じゃないし…。


二人の関係は、どうでもいいし、興味もないけど、あの女性の邪気だけは取っておきたい。

その後、二人がつきあおうが、婚約しようが、お好きにしてくれればいい。

婚約解消も万々歳! とにかく、さっさと邪気をとってしまおう。


読んでくださった方、ありがとうございます!

ブックマーク、評価、いいねをくださった方、励みにさせていただいています。

ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ