表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/77

なんで、隠すの?

今日、一回目の更新です。

パトリックが、にこやかにお父様に言った。

「ライラをエスコートして、パーティーを楽しんできたいのですが、いいでしょうか?」


え、やめて?! パトリックと一緒じゃ、楽しめないよ?!


「私は、こんな大きなパーティーは初めてなので、緊張しちゃって…。今日は両親と一緒にいますから。お気づかいなく」

あわてて口をはさむ私。


「そんなこと言わないで。せっかく来てくれたんだし、ライラと一緒にいたいな」

口調は優しいが、胸からでる黒い煙の量がどっと増えた。


多分、私が断ったのが気に入らないんだろうね…。二人になったら、何を言われるかわからない。

断固、拒否だ!


「じゃあ、ライラはパトリック君に頼もうか。こんな豪華なパーティーは、滅多にないぞ。ライラ、緊張しなくていいから、楽しんでおいで」

お父様がにこにこしながら言った。


「おお、それがいい。パトリック、ライラさんをきっちりエスコートしてきなさい」

と、公爵様も微笑みながら同意する。


結局、私の願いもむなしく、上機嫌の二人に、笑顔で送りだされた。


パトリックに連れられて、ホールを歩きだす。

パーティーを主催している公爵家の息子といるからなのか、すごい見られてない?

視線が突き刺さるようなんだけど…。 


「ライラ、さっきは、なんで断ろうとしたの? ぼくと一緒にいるのが、そんなに嫌なの? ライラは、ぼくの婚約者なのに、ぼくの言うことを聞かないなんてダメだよ」

私にむかって、爽やかに微笑みかけながら、口では文句を言うパトリック。


傍から見てる人には、優しく気づかわれているように見えるんだろうな…。

全然、違うけど…。


なーんて、考えていたら、

「なんで返事しないの? ライラ?」

と、パトリックが言った。顔はにこやかなままだけど、パトリックの声が明らかに、さっきより、いらだっている。


そして、また胸から黒い煙がどばっと出た。


これ以上、黒い煙を増やすわけにもいかないので、

「…はい」

と、いやいや、返事をした。


それで、パトリックは納得したのか、

「ライラ、なにか食べる?」

と、やわらかい口調で聞いてきた。


「飲み物だけ欲しい」


「じゃあ、ここで待ってて」

そう言うと、すぐ近くの食べ物や飲み物を準備しているテーブルに取りに行った。


ふと、強い視線を感じた。


とっさに視線のほうを見た。すると、女性がいた。

なんとも鮮やかな、珍しいオレンジ色の髪の女性が私を見ている。


…っていうか、にらんでない?! どうして、私をにらむの?! 


が、睨まれている怖さなんかよりも、驚きのほうが先に立つ。

というのも、その女性の首から下は、黒い煙がいたるところからふきだしていたからだ。


こんなに沢山、黒い煙を自分から出している人を、私は未だかつて見たことがない。

黒い煙で、ドレスの色もわからないほどだ。

わかるのは、ひときわ目立つ、オレンジ色の髪と顔だけ。


あいかわらず、その女性は私をすごい目でにらんでいる。


…初対面よね? なんでだろう?


そこへ、パトリックが飲み物を手に戻って来た。


私に飲み物を手渡しながら、パトリックは聞いてきた。

「ねえ、ライラ。さっき、何を見てたの?」


「見てたというか…見られてたと言うか…。うーん、そうだ。パトリックはオレンジ色の髪の毛の女の人を知ってる?」

私が言ったとたん、パトリックの瞳が揺れ、一瞬、焦ったように見えた。


そして、ほんの少し間があった後、

「いや、知らないな」

パトリックは、そう答えた。けれど、胸から出る黒い煙が、更に量が増え濃くなっている。


どう見ても、これは…知ってるよね?

でも、なんで、隠すのかな? 


すごーく気になって来た! 


今週末で、できるだけ更新したいと思っています。読みづらいところも多いと思いますが、読んでくださった方、ありがとうございます。

ブックマーク、評価、いいねをくださった方、励みにさせていただいています。

ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ