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ゲームキャスターさくら  作者: てんつゆ
フォールガールズ
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フォールガールズ5

 最初のラウンドを終えた私は気が付くと、第1ステージを通過したプレイヤー達を見下ろせる場所にいました。

 

 スタートの合図と共に第2ステージへと進んだプレイヤー達が一斉に走り出し…………。


「って。もしかして私、負けちゃってるじゃないですかあああああ!?」


 観戦モードになってしまった私は、とりあえず観客席から和希さんを応援する事にしました。



 ―――――――と、いう訳で。


「改めて第2ラウンド開始です!!!!」

「次は勝てるといいな」


 私は最初のゲームの事は忘れて、次のゲームに取り掛かる事にします。

 ちなみに和希さんは第3ステージまで進みましたが、あと一歩で最終ステージに進むことが出来ずに敗退しちゃいました。


「間に合ええええって言ったら、普通は絶対に間に合うはずなのにおかしいです!?」

「そんなんで間に合ってたら他のプレイヤーも全員叫ぶんじゃないのか?」

「それを言われたらそうなのですが、やっぱり気持ち的に必要と言うか…………」

「だったら次は本当に間に合うプレイをするんだな」

「そうですね。さっきの事は無かった事にしましょう!」


 私はさっきのゲームは練習という事にして、次が実質初戦という事にしました。

 なので私はまだ負けてません!

 戦績には残ってますが見なければいいのです!


「――――なんかノリが軽いな?」

「別に私が負けても世界が滅んだりしませんからね。常勝は求めず、気軽に勝った負けたで楽しむのが私のゲームライフです!!」

「…………ゲームのスタイルは人それぞれだが、なんかそれだと負けた言い訳にも聞こえるぞ?」

「――――うぐっ。ま、まあ次こそ1位を取るので大丈夫です! では今度はあっちの部屋でゲームを始めましょう!」


 私達はすぐにゲームが始まりそうなサークルへと移動して、その場で待機。

 そのまま少し待ったらすぐにメンバーが集まりゲームが開始され、私達はゲームフィールドへと転送されていきました。

 

 そして、万全を期して挑んだ2回目の第1ステージは特にピンチも無く順調にクリアする事が出来、私と和希さんは難なく第2ステージへと駒を進める事になったのでした。


「…………なあ。これなら普通にさっきのゲームでステージ突破にしてもよかったんじゃないか?」

「い、今から変えるのはいろいろ面倒なので気にしないでください」


 第2ステージへと転送された私達の前には小さめのサッカーフィールドが広がっていて、自分達の後ろと反対側には大きめのサッカーゴールが設置してありました。

 タッチラインとかは無く周りは全て壁になってるので、ボールが外に出て一時中断とかにはならないみたいです。


 最初のステージで結構な数のプレイヤーが脱落し、残りの人数が21人になったのでここで紅白戦を行って更にプレイヤー数を絞る感じですね。


 メンバーを確認したらどうやら和希さんとも同じチームみたいなので、ここを突破したら2人で最終ステージに進めそうです。


「なあ。残り人数って覚えてるか?」

「はい。ちょうど21人でした………………って、奇数!?」


 改めてメンバーを確認すると全員揃ってる相手チームとは違い、私達のチームはメンバーが1人少なかったのです。


「これは人数差マッチ!? ど、どうしましょう!?」

「心配するな。人数差があっても、私が2人分の役割をすればいいだけだろ?」

「そうですね。私も2人分の動きをすれば実質こっちの方が多いまであります!」


 私達が覚悟を決めると試合開始の笛がフィールドに鳴り響き、上からボールが降って来ました。


 はるか上空から落下してきているので最初はお米くらいの大きさでしたが、フィールドに近付くにつれどんどん大きくなって――――。


 おや? なんか思ってたより大きめなのか、予想以上に大きくなってるような?

 その後もボールはどんどん巨大化していき、落下してくる頃には――――。


「こ、これは!?」

「ふぅ。これだとサッカーじゃなくて運動会だな」


 大玉転がしで使うくらいの大きさの、巨大なサッカーボールが私達の前に現れたのでした。


「おい、もう始まってるぞ!」

「あっ!?」

 

 私が巨大なサッカーボールにあっけにとられていると、他のプレイヤーは一斉にボールへと群がり、相手ゴールへと一斉に押し始めました。



 スタートが一瞬遅れたので、その分だけ少しこっちの陣地に押し込まれてしまいましたが、半歩くらいの距離なのでまだまだ誤差の範囲のはず。


 ――――と、思ってたのに。

 なんかボールがぐいぐいこっち側に迫ってきている気が…………。


「人数差があるので、正面からだと力負けしちゃてます!?」

「だったら横から行けばいい!」


 和希さんがスッと集団から横に抜け、ボールの真横へと移動。

 その行動の意味を素早く理解した私は和希さんと反対側に移動します。


 2人が抜けて人数差が更に広がったボールは一気に私達の陣地へと転がって来ましたが、その瞬間に和希さんが横からボールに飛び蹴りをしたら、ボールは私の方向に転がってきたので。


「ここです!」


 すかさず私は転がってきたボールにタックルをして、相手ゴールへとロングシュート!!


 ボールは相手ゴールへと転がっていきましたが、私1人でのシュートはパワーが足りなかったようで、ゆっくりと転がるボールに追いついた相手プレイヤーの1人が体を張ってボールを止めちゃいました。


「ああっ!? もうちょっとだったのに!?」



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