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ゲームキャスターさくら  作者: てんつゆ
フォールガールズ
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フォールガールズ4

 私はさっき落っことされたシーソーまで戻ると、結構な人数がシーソーの上でなんとか上にあがろうと切磋琢磨しているようです。


 流石にみんな1個めのシーソーで傾向を掴んだのか、絶妙なバランス感覚で先に進んでいる人もチラホラと。


「ちょっと急がないと本当に危ないかもしれませんね」


 けど、あんまり急いでまた落っこちてしまったら今度こそ敗退確実なので、タイミングを見極めて一発で突破しないと――――。


 私は呼吸を1つ吐いて焦る気持ちをリセットしてから、下がってきたシーソーへと飛び乗りました。

 

 それから一気に高い方へと走り勢いを付けてジャンプする事で、2個目のシーソーも無事にクリア。


 後はゴールまで走るだけ!


 最後の道は3つに分かれていて、左右は大回りだけど何も無い平坦な道。

 そして、真ん中の道には巨大なシーソーが横向きでは無く、縦向きに置いてありました。


 縦向きと言う事は奥側が下がっている場合は私の方からだと乗る場所がかなり高い位置にあがってしまって乗る事が出来ず、下がってくるまでずっと立ち往生する事になってしまいます。


 そして、乗った場合でも奥側に傾きすぎていると、シーソーの最後の部分が先にある足場より低い位置まで下がってしまい、足場に飛び乗る事が出来ずにそのまま下まで落下してしまう可能性も。


 残り人数を確認すると、もうすでにゴールしたプレイヤーもかなり多いみたいで、安定した遠回りコースを選んでたら、まず間に合わなそうな感じが……。


「――――うぐっ。2個めのシーソーで少し慎重になりすぎたかも」


 こうなったらここは、イチかバチかショートカットにかけるしか無いみたいです。

 ――――私は覚悟を決めて真ん中のルートへと駆け出しました。

 

 しばらくして最後のシーソーに辿り着くと、私と同じようにこのルートじゃないと間に合わなそうなプレイヤーが数人、シーソーの上でひしめき合っていました。


 無事にショートカットに成功したプレイヤーがいる中で、案の定ジャンプのタイミングがつかめずに落下していくプレイヤーも数名いて、どうやら簡単には向こう側に行かせてくれないみたいです。


 現在はちょうど私のいる方向と反対側に傾いてしまっている為、こっち側に傾いてくれるまでちょっと待つ必要があります。


 ――――ふぅ。

 

 リミットが刻一刻と迫って来る中で、ただ立ち止まっているのは普段よりも焦りが加速していく気がします。


 こうしている間にも1人、また1人と第1ラウンド通過者が増えていっている気が…………。

 

「早く…………早く降りてきてください!」


 直後。私の祈りが通じたのか、シーソーがゆっくりと私の方へと傾いてきました。

 よくみると、乗ってるプレイヤーが奥側に落っこちないように傾きを変えようとしているみたいです。


 ――――けど、思ったより傾けようとしてるプレイヤーが多いのか、このままだと傾きすぎてしまう気も…………そうなったらシーソーの一番端っこから向こう側への距離も開きすぎてジャンプしても届かないような。


「…………そうです!」


 私は今の場所からかなり後ろに距離を取ってシーソーが降りてくるのを待つ事にしました。


 ――――そして、シーソーが水平になった瞬間、おもいっきり全力でダッシュです!

 

 予想通りシーソーはかなり斜めに傾きました。

 例えるならそう、跳び箱の前にあるジャンプ台のように。


 私はそのままシーソーへとジャンプして飛び乗り、いっきに上へと駆け上がります!


 スピードに乗った今の私は暴走機関車。

 もう誰にも止める事は出来ません!


「どいてください!」


 そのまま途中のプレイヤーを弾き飛ばしながら、私はひたすらに突き進みました。

 私に突き飛ばされる人や避けようとして落っこちてしまった人もいましたが、振り返ってる暇なんてありません。

 

 今私がする事は前だけを見て走る事!


 シーソーの先端では、上にあがりすぎてジャンプで届かない距離になってしまった為、下がるのを待っている人が数人見えました。

 

 けど、今の私にはそんな距離無いに等しいです!


「やあああああああああああああっ!」


 先端で立ち止まっっていた人を後ろからタックルでどかして、そのまま大ジャンプ!

 

 勢いをつけすぎたせいか予想より大きなジャンプになってしまいましたが、まあいいでしょう。


「このままゴールまで行きます!」


 風を切る音と共にぐんぐんと近づくゴール。

 ゴールゲートの向こう側では、すでにゴールしたプレイヤー達が残ってるプレイヤーを応援しているようです。


 その中に1人。

 見知ったプレイヤーの姿がありました。


「もう少しだ。飛び込め!」


 どうやら和希さんはすでにゴールしてるみたいです。

 だったら私も絶対に続く!!


「間に合えええええええええええっ!!!!」


 ――――私がゴールラインに触れた瞬間。

 ステージ終了のコールと共に、次の対戦が行われる場所へと転送されて行きました。




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