表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームキャスターさくら  作者: てんつゆ
フォールガールズ
67/128

フォールガールズ2

 最初のステージを突破出来るのは100人中70人。

 脱落する方が少ないので、普通にやったらまず大丈夫はなず。


 それに最初のステージは初プレイの人やゲームに慣れてない初心者も多いので大丈夫な………………って、私も初プレイの初心者でした!?



「一緒にいくか~?」

「いえ~。すぐに追いつくので、先に行ってて大丈夫で~す!」


 ふう。和希さんはかなり前にいるので、大きな声を出さないと聞こえなくて辛いです。


 そうこうしている間にスタートのカウントダウンが始まっていき、「GO!」の合図と共に、100人が一斉にスタートラインから飛び出してゴールを目指しました。


「ともかく今は和希さんに追いつくことを考えないと!」


 第1ステージはシーソーステージ。

 スタート地点からゴールまでに巨大なシーソーがいくつも設置されていて、それを上手くつかって80位以内でゴールに到達する事が目的です。


 最前列の人たちが走り出すとすぐに、1個目の巨大シーソーが現れました。

 和希さんが一番乗りでシーソーに飛び乗ると、和希さんが乗った方にシーソーが軽く傾きました。


 和希さん1人が乗っただけなら全く問題ないのですが――――――――。


「わーわーわー」 

「おい。やめろ! 押すな!」

「キャッ、キャッ」


 と、一気に大人数が乗ったしまった訳なので、シーソーは皆が乗った右側に大きく傾いていき、ほぼ垂直になるまで傾くと、そのまま乗った人全員は地の底へと滑り落ちていきました。


 ちなみにシーソーから落下しても少し前のチェックポイントに戻るだけなので、時間いっぱいまでチャレンジする事が出来ます。

 

 今は最初のシーソーなのでチェックポイントはスタート地点ですね。


「って、和希さんに追いつく前に追い抜いちゃいました!?」


 私が戸惑っている間もシーソーは左右に大きく揺れ、何人ものプレイヤーがずり落ちてしまっています。


 運良く自分が乗った方が上になったプレイヤーは先へ進む事が出来ていますが、運悪く人が多い方に乗ったら最後、そのまま多数のプレイヤーを連れて下へと落下しスタートへ強制送還される人もちらほら…………。


 ただ、このままずっとこの場所にいる訳にもいかないので、勇気を出してジャンプですっ!


「えいっ!」


 私が乗ったほうに重心が傾き、その反動でバランスを崩して倒れそうになっちゃいました。


「わわっ!?」


 しかし転ぶと思った瞬間、ボフッと何かに支えられて私はバランスを取る事が出来ました。


「――――大丈夫か?」


 どうやら後ろから追いついた和希さんが私の体を支えてくれたおかげで、転倒しないで済んだみたいです。


「はい。なんとか…………って、またっ!?」


 助かったと思ったのもつかの間。

 和希さんが戻ってきたという事は、他の一緒に落ちた人もスタート地点から戻ってきた事になるので、シーソーは更に不安定に。


 ―――――けど。今は左右にそれなりの人数がバラけているので、攻略するチャンス!


「今なら右から上に登れそうだな」

「そうですね。今のうちに突破しましょう!!!!」


 と、安直な考えでちょっとだけ上になった方に向かったのですが、他のプレイヤーも考える事は同じのようで…………。


「おい。あっちから登れるみたいだぞ!」

「急げー!」

「もう落ちるのは、いやぁ~」


 みたいな感じでどんどん右側に移動して来た結果。

 右に上ったシーソーはプレイヤーの重みでどんどんと下がっていって、遂には水平よりも下になっていましました。


「お。落ちちゃいますっ!?」

「だったら左に行くぞ!」


 今度は左に向かった私達ですが、やっぱり今回も他のプレイヤーと考えが被ってしまったようで…………。


「こ、こっちだと落ちるぞ!?」

「キャー。誰か落ちてった~!」

「左! 左に行かないと!」


 と、さっきと同じ光景が。


「こ、このままだと永久ループです!?」

「まあ、こうなるだろうな」

「では次は右―――――」


 今回も皆が私達に続いて右に移動し始めた瞬間。


「と、見せかけて左ですっ!!」


 私は走るのを止め、その場に留まる事にしました。


 …………けれど。


「って。なんで皆こっちに残ってるんですか!?」

「そりゃそうだろ」


 てっきり皆が右側に移動すると思ったのに、私達みたいにフェイントを入れて左側にとどまったプレイヤーが予想より多くて、シーソーは水平よりちょっと上くらいの高さまでしかあがりませんでした。

 

「これだと上がれません!?」

「――――そうか? これだけあれば、じゅうぶんだろ」


 和希さんは少しだけ後ろに下がってから助走をつけて壁へとジャンプして、そのまま壁を蹴りながら駆け上がり、無事に最初のシーソーを攻略しちゃいました。


「おおっ!? 凄いです!」

「ほら、捕まれ!」

「はいっ!」


 私は和希さんの伸ばした手に捕まって、上に登り……のぼり……………。

 あれ?…………のぼ………れない!?


 和希さんに上に引き上げて貰う予定だったのに、体が全然上にあがっていきません。

 それになんだか体が心なしか重いような…………。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ