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ゲームキャスターさくら  作者: てんつゆ
カードマスターさくら編
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カードマスターさくら編3


「ん~と。どうしようかな~」

「忍さん。まずはナイフエッジマスターを出すのがセオリーでは無いでしょうか?」

「――――そうね。それじゃあ早速……………って何で桜があたしの手札知ってるのよ?」

「……いえ、何となく持ってそうな気がしただけです」

「ふ~ん? ま、別にいいけど」


 くふふ。本当の事を言うと、実は忍さんの手札の半分以上が把握出来ています。


 何故なら忍さんは全てのカードをスリーブに入れているのですが、カードスリーブに入れたらどんな事をしても傷が付かないと思っているようで、普段からカードを結構乱暴に扱っているのでした。


 なのでスリーブに付いた小さな傷が忍さんが今どのカードを使っているのか私には手に取るように解るのです!


 ちなみに私のデッキはスリーブを定期的にランダムに入れ替えているので、誰かに手札がバレるという危険はまず無いですね。


 それと勘違いしないで欲しいのですが、私がやっている事はあくまでルール内で行っている事で、カードのすり替えや後ろのお客さんにサインを遅らせるなどのルール違反は全くしていません!


 あくまで偶然カードスリーブの傷を覚えている。

 ただそれだけの事!


 公式ルールにスリーブの傷を覚えるのは禁止と書いてあるなら、一瞬で記憶から全て消し去る準備はすでに出来ています。

 けど、ルールに書いて無いと言う事は覚えても構わないと言う事なので、これは全く問題の無いテクニックなのです!!!!


「それじゃあナイフエッジマスターを召喚してぇ」 


 忍さんは片手にナイフを持った盗賊の様な見た目の攻撃力1体力1のモンスターカードを場に出しました。

 このカードは一見攻撃力も守備力も最低の…………まあ本当の最低値は0なのですが、それは今は置いといて…………。えっと、数値は最低なのですが、このカードにはちょっと厄介な能力があって――――。


「ナイフエッジマスターの特殊能力はっつどう。このカードは召喚後すぐに行動が出来る! 今桜のフィールドはガラ空きだから、桜に直接攻撃。いっけ~ナイフエッジアタ~ック!」


 忍さんの召喚したモンスターは私に向かって一直線に走ってきて、ナイフでザシュと私を切りつけました。


「……………ッ」


 防御手段の無い私は体力に1ダメージを受けてしまいました。

 まあこれくらいのダメージは誤差の内なので、気にしないで早く体制を建て直さなければいけませんね。 


「じゃあ、あたしのターンはこれでおしまいっ。次は桜の番ね」

「では私のターン。ドローです!」 


 2ターン目なので召喚エネルギーが2まで上昇して2コストまでのカードが使えるようになりました。

 手札はコストの高いカードばかりでしたが新しくドローしたカードがちょうど2コストだったので、このターンはモンスターカードを召喚出来そうです。


「私はシールドナイトを召喚します!」


 私は全身を鎧で身を包み、巨大なシールドを持った攻撃力2 体力2のカードを場にだしました。


「このカードがフィールドにある限り、忍さんは他のカードを攻撃する事は出来ません」

「うげっ。厄介なカードを出して来たわね」 


 忍さんのカードは攻撃力1と体力が1、私のカードが両方共2なのでこのカードで戦ったら忍さんのカードが捨て札になり、私のカードが体力1だけ残ってフィールドに留まることが出来ます。


 ただ、忍さんの召喚したナイフエッジマスターのような特殊能力が無いと召喚したターンは動けないので、今回は戦闘をしないでターンを終えるしか無いのですが――――。


「私のターンはこれで終了です」

「じゃあこっちの番ね。ドロー!」


 ドローした忍さんがニヤリと悪い笑顔を浮かべました。

 なんだか嫌な予感がします。 


「じゃあ私は今度もナイフエッジマスターで攻撃ぃ!」

「――――え!?」


 ナイフエッジマスターは再び私に向かって突撃して来ました。

 しかし今回は大丈夫。何故ならさっきのターンとは違い私の前には私を守ってくれる盾があるのですから!


「私はシールドナイトで防御します! ――――忍さん、プレイミスしましたね?」

「ふっふ~。私はここで魔法カード発動。ナイフエッジデスマッチ!!!」

「――――なっ!?」


 ナイフエッジマスターの行く手を阻む様に立ち塞がったシールドナイトでしたが、こちからの攻撃が当たる瞬間、忍さんが魔法カードを使いナイフエッジマスターとシールドナイトの足元に2本のナイフが出現しました。


「ナイフエッジデスマッチの効果はお互いに地面に刺したナイフの刃を踏んで戦って、負けた方が破壊される!」

「しかし、忍さん。攻撃力はこちらの方が高いのでナイフエッジデスマッチをしても、こちらの勝利は変わりませんよ?」

「甘いわね桜。ナイフエッジマスターはナイフエッジデスマッチで負けた事は無いのよ! いっけ~、ナイフエッジヘッドバット!」


 魔法カードの効果で拳で攻撃し合っていたナイフエッジマスターとシールドナイトでしたが、突然ナイフエッジマスターがヘッドバットを繰り出した事により予想外の攻撃に対応出来なかったシールドナイトは破壊されてしまいました。


「シールドナイトが破壊された事により桜には破壊されたカードの攻撃力と同じだけ、つまり2ダメージを受けてもらうわ。そして、ナイフエッジマスターの攻撃もまだ終わっていな~~~い! ナイフエッジマスターで桜を直接攻撃!」

「―――――くっ」


 私はカード効果と直接ダメージで合計3ダメージを受けてしまいました。

 ちょっとピンチかもしれません。



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