表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームキャスターさくら  作者: てんつゆ
飛行機墜落 高度1万メートル、フライトeスポーツ
18/128

飛行機墜落 高度1万メートル、フライトeスポーツ2



「それで、デバイスはこれを使えばいいのか?」

「あの。私のデバイスは飛行機に預けてあるので、出来ればそれを使いたいのですが――――」


 私は緊急時に慣れない端末を使うのを不安に思いキャビンアテンダントさんに尋ねると。


「でしたら奥のスキャナーにお荷物をお預けした際にお渡ししたカードキーを認識されると、フライト中ですがお客様のお荷物を一時的に返却する事ができます」



 と、特別に使うことを許可してもらえました。


「こっちも自分のが使えるならそれを使いたい」


 パーカーさんも自分のデバイスを使いたいみたいで、私達は奥に設置してある機械にカードキーを読み込ませると、機械が飛行機の荷物置き場とリンクして私達のデバイスが転送されてきました。


「あれ? もう着いたの?」


 スリープモードから復帰してちょっぴり眠そうなシャンティが呑気な声をあげました。

 けど、今は状況を説明している時間が惜しいので後で説明する事にします。


「シャンティ、緊急事態発生です。急いでゲーミングの準備をしてください」

「――――え!? 状況がよくわかんないけど、とりあえず解った」

「では、行きます。シャンティ、コンバージョン!」

「了解、桜。コンバージョンスタンバイ」

「スタート、アーーーップ!」


 

 私は急いでスーツを装着して、この飛行機の管理ネットワークに飛び込む準備を終え――――。

 

 っと、そう言えば決めポーズを忘れてました。


桜花爛漫おうからんまん 風宮 桜 参上ですっ!!!!」


 ポーズがビシッと決まった所で、パーカーさんの方も携帯デバイスのスリープモードを解除して今から装着するみたいです。

 パーカーさんのデバイスは真っ黒な影の様な色をしたカラス型のデバイスで、とてもクールなイメージがしました。


「行くぞ、ハヤテ。コンバージョン!」


 掛け声と共にカラス型デバイスのパーツがパージされパーカーさんの体に装着されていき、最後にビシッとポーズを決めて装着が完了。


色即是空しきそくぜくう 仙道――――くっ!?」

「きゃっ!?」

 

 パーカーさんのポーズが終わる前に一瞬飛行機が激しく揺れてバランスを崩してしまいそうになりました。

 早くしないと危ないかもしれません。


 ……………それにしても。


「ん? どうかしたのか?」

「いえ、そちらも装着した後にポーズをとっていたので――――」

「何を言ってる? 着替えた後にポーズを取るのは常識だろ?」

「えっ!?」


 これは思いもよらない場所で同好の士に会っちゃいました。

 やっぱり着替え終わった後のポーズの重要性も、理解る人には理解るみたいですね。


「…………それにしても」


 パーカーさんのスーツはカラス型デバイスと同じ黒を基調としたシュッとしたスマートな服装なのですが、インナーが真っ黒なレオタードになっていてちょっぴりえちえちな感じになっています。


「――――ちょっと派手な服ですね」

「そうか? たまに珍しがって見る奴もいるが、真っ黒で地味だと思ぞ?」


 まさかの無自覚!? いえ、もしかしたら邪な目で見てしまった私の方がおかしいのかもしれません。

 ――――けど、私が同じ服を着ろと言われたらちょっぴりどころじゃないくらい恥ずかしいような…………。


「そんな事より早く始めないか?」

「――――っと、そうですね。それでは行ってきます」

「どうかお気をつけてください。操作は基本的にはブレマジと同じですので、後は音声ガイドに従っていただければ大丈夫だと思います」


 一足先にパーカーさんがログインしていったので、私もすぐに後に続かないと。


「ではシャンティ。行きましょう」

「オッケー、桜。飛行機のネットワークに接続するね」


 私はキャビンアテンダントさんに挨拶をしてからシステムを起動させると、視界が一瞬真っ暗になった後に体全体が光に包まれていく感覚になっていきました。


 ――――そして、しばらくすると私は真っ暗な空間に立っていたのでした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ