勇者とプレイヤー
episode3
僕はまだ新幹線の中。十分に時間もある。
やり直しの旅を始めよう。
再び10秒で魔王の間についた。
勇者「うわー、魔王デカい...怖い...。」
ここで選択肢。逆を選べばいいのかな?
(戦うor勇者だけ逃げる)
もうここは正々堂々、魔王倒しちゃってください、勇者さん!
と、僕は思いながら、戦うを選択した。
そしてコマンド画面が出てきた。
1ターン目
勇者 天空斬り
姫 攻撃力上昇魔法
カイ 力いっぱいの体当たり
......とそれぞれ選択した。
だが、魔王の防御力は予想以上に高く......
魔王のHPは10万あるにも関わらず、勇者たちが1ターンで与えられたダメージはたったの150。
これでは何十ターンあろうとも足りない。
それでも、勇者たちは諦めない。
2ターン目に期待だ、そう、思っていたのだが、魔王は攻撃力も予想以上に高く......。
一撃で1万ダメージ、カイはその場に倒れこんだ。
勇者「お、おい!まだ死ぬなよ!魔王倒せてないだろ!お前の目的は、魔王を倒すことだろ!なあ、カイ!」
カイ「うん、分かってる、分かってるよ。でも、もうこの命は、なくなっちゃうんだよ、ま、魔王、速く、倒しちゃってよ。う、ゲホ、ゲホ!本当に、この度は、楽しかったよ」
そう言い残してカイは息を引き取った。
悲しいことだが、ここで止まる訳にも行かない。
勇者は涙を拭き取り、次のターンに行くことを決意した。
2ターン目
勇者 連続白刃斬り
姫 防御力上昇魔法
......とそれぞれ選択した。
だが魔王をこのターンで仕留めることも出来ず、魔王の攻撃を浴びることとなった。
魔王は一斉攻撃のスキルを使った......。
クリティカルヒット......。
勇者も姫も倒れてしまった。
魔王「私の強さが分かったか!せめて地獄でおとなしくしときな!わーっはははは!」
まだ勇者も姫もギリギリ息があった。
姫「勇者様、もう、私たち......死んじゃう、の?」
勇者「......残念だが、そう、みたい、だな...。」
姫「ねぇ、勇者、様......。私、ずっと、勇者様の、こと、好き、だった......。これから、年をとるまで、ずっと、そばにいてほしかった、でも、その夢も、もう、叶いそうに、ないわね......。」
勇者「俺も、姫のこと、好きだった......。姫が、俺の、こと、好きでいてくれて、嬉しかった。せめて、せめて、さ、来世で......幸せになろう」
姫「絶対だよ?絶対、来世で、私を迎えに来てよ?じゃなきゃ、許さない、からね?」
勇者「絶対、姫のところに、行くから......。さよならとは、言わないからな......。あと、プレイヤー、お前のことも忘れない......。」
二人は息を引き取った。
......終わり方がかわいそう過ぎる。
あ、あの選択肢、また出てきた。
(このままエンディングロールを流すor
最後のセーブポイントからやり直す)
......このままじゃ悲恋過ぎる。
二人の恋を実らせるためにもやり直すことにしよう。