第2話 エピローグ
episode2
僕は、今、夏の旅行に向かう途中で、新幹線に乗っている。
さて、昨日ラスボス魔王の一歩手前でセーブしておいたゲームを始めますか。
そう思いながら僕は携帯型ゲーム機を手に取り開く。
・・・その5分前、ゲームの中の勇者はゲームの中で愚痴をこぼしていた。
勇者「ねえ、まだプレイヤーっていう人は帰って来ないの?僕らこんな暗いダンジョンで一晩待ってるんだよ?」
姫「まあまあ。プレイヤーっていう人もきっといろいろあって忙しいんだよ。気長に待とうよ。」
カイ「腹減った…。」
勇者「じゃあこの肉食べとけば?はい!…って、あっ、あっ!勝手に肉がカバンに…!」
プレイヤーの指示がないとゲームの中の人は道具が使えない。ゲームの中って、大変だな…。
ゲームの中でそんなことを騒いでいる間に僕はゲームをロードした。
よし、魔王を倒しに行こう!…10秒でたどり着いた。
勇者「うわー、魔王デカい…。怖い…。」
ん?選択肢が出た。なんだって?今、どうするかって?
(戦うor勇者だけ逃げる)
…勇者も怖いって言ってるし、逃がしてみるか。
僕が選んだのは「勇者だけ逃げる」。
そして勇者は仲間を取り残し一人で逃げ始めた。
勇者「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」
なんとか魔王城の外までは出てきたけれど、一人で逃げてきたので当たり前だが仲間の姿はない。
一体どうなったのだろう。
・・・しばらく待つと、、、
姫だけが血だらけの姿で戻ってきたのだ。
勇者「ひ、姫!そんな、そんな血だらけで一体上で何があったんだ!?」
姫「そ、そうそう、カイは死んじゃったよ。体当たりでずっと攻撃してたけど、やっぱり魔王の方が強くて。私も、もう、力が、ない…。」
勇者「死ぬな、ここで死ぬな!俺は、俺は、姫の事がずっと好きだった。
もっと生きて、俺と一緒に住んでくれよ…!」
だけど、もう姫の意識は遠のきかけていた。
姫「嬉しい、私も、あなたのことが、ずっと好きだった。あなたと結婚する、その願いも、もう、叶えられないのね。今まで、本当に、ありがとう。」
そう言い残して、姫は息を引き取った。
勇者はしばらく黙っていたが、その後、叫び出した。
勇者「プレイヤー!この選択は間違いだろ!こんなのバッドエンドだよ!分かってる、分かってる。プレイヤーを憎んでも仕方ないってのは!でも、でもだよ!プレイヤー!」
この終わり方はちょっと悲しすぎるな…。
ん?また選択肢が出てきた…。
(このままエンディングロールを流すor最後のセーブポイントからやり直す)
…やり直すか。バッドエンドは嫌だし。
続く。
まず、読んでいただきありがとうございました。
ついに本編スタートです。作者のharutoです。
まだまだ続きます。ハッピーエンドってどんなものかというのを模索しながら。
ですので、次回以降もよろしくお願いします!