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少年の欠片

作者:

中学生になって他の小学校の新しいメンバーが増え、徐々に仲良くなってきた中学1年の5月頃、一人の少年はなかなかクラスに馴染めずにいた。


その少年は、休み時間も体育の授業もいつも一人で、唯一の話し相手は幼馴染みの男の子だけ、部活にも入らず毎日授業が終わったらスグに家に帰る。


親が仕事で忙しいせいでいつも、朝の5時に起こされ車で送られていたため、学校はいつも一番早く来ていた。


することもないので机の上で寝ている。こんな生活を中学1年の夏まで続けていた。


夏休みに入ったある日、幼馴染から「今から旧校舎の校庭でみんなで遊ぶけどくるか?」とメールが送られてきた。


もちろん断ったが、何度もメールしてくるので仕方なく遊びに出かけた。


何をするのか知らされていなかった少年は、夏なのに長袖長ズボンの上にパーカーを着ていた。


旧校舎に着くと大人数の人の声、声から察するに男だけではなかった。校庭まで行くとみんなで水風船を投げて遊んでいる。


でも少年は濡れたくないので、日陰のベンチに腰をかけて眺めているだけ。


ふと横を見ると同じ学校であろう女子生徒が、一つベンチを挟んで横に座っていた。


すごく色白で顔も整っていて大人しそうな、まさに清楚と言った感じの女の子が座っていた。


まあ趣味もあるだろうが、その少年からするとすごく可愛く見えた。


一目惚れとまでは行かなかったが、気にはなっていた。


水風船で遊んでいた幼馴染が


「次どこ行こうか?」


とみんなと話し合っているのを見て、どこにも行きたくない。声を漏らすと、隣に座っていた女の子が


「私、帰るね」


と言って帰ってしまった。


その少年も早く帰りたかったので


「じゃあ俺も帰るわ」


と言ったが、幼馴染が


「それはダメだ」


と引き止めた。


その日はまる1日そいつらに付き合わされた。その日の夜、隣に座っていたあの女の子の事が気になって、幼馴染に名前とクラスを聞いた。


それと共に送られてきたメールに少年は驚いた「おまえ、あの子のこと好きなの?」少し恥ずかしくなって頬を赤らめながら「んなわけあるか」と送り返しすと、あっけなく話は終わった。


そして、それから年が過ぎるのはすごく早かった。向かえた中学3年の秋、その少年は1年間ずっと彼女の事が気になっていた。


だが、もう受験だからと言って、必死に忘れようとしていたが忘れようと思えば思うほど、忘れられない存在となっていった。


そして受験直前の11月下旬、少年の友達は4.5人くらい増えていた。幼馴染のおかげで少しは中学生活を楽しめた、今ではすごく感謝している。


そんなある日、提出しなければ行けないプリントを忘れていて、職員室に行き先生の机の上にプリントを置いたあと教室に戻ろうとする少年の目の前には、幼馴染とあの日、隣に座っていた女の子。


少年は絶句した。どう見てもそれは告白しているようにしか見えなかったからだ、しかも女の子の方から。


今思うと、立ち尽くして見ていることしか出来なかった自分が少し憎いが、幼馴染はその女の子の告白をOKしたらしく、まあいわゆるキスというものをしていた。


確かに幼馴染は容姿も良くて成績もいいからモテている。だけどあの女の子だけは取られたくなかった。


そう思ったのは二人が手を繋ぎながら帰っている後ろ姿を見てからだ、気づくのが遅すぎたと自分ですごく後悔し、帰り道 涙が溢れそうになるのを堪えて家まで走って帰った。


その日は凄く泣いて凄く喚いた。

もっと早く気づいていれば、こんな自分が嫌いだと、そう思っても後の祭り。


それからというもの、その少年は最悪な中学生活を送りながらも高校もそこら辺の適当な高校を受け


今、高校生活を送っているわけだが、やはりぼっちだ。


まあ何が言いたいのかと言うと、自分の気持ちは殺さず抑えずに全て相手にぶつけた方が良い、それが恋なら尚更だ。


みんなは幸せに学校生活を送ってくれ。だが本分は勉強なので勉強も欠かさずやること。


これくらいしか言えないけど、三年間しか一緒に居られない今の仲間を大切にしてください。


少年より

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