第3話 『赤髪』
「俺のことをそんな目で見てたんですか。なるほど、俺は他人からも男好きのホモと思われてたんだぁー。」
あの発言は正直に言って冗談でもキツイ。でも、ラウズ自身はいつも道理のため決して、悪気はない。
ラウズはよく俺に対してよく冗談を言う方だ。それは多分、親しみをもって言っているのだろう。他に理由があるとすれば、この酒場では5人の従業員が居て、俺とラウズ以外みんな女の人のため話やすさ的に、俺にちょっかいを出したくなるのは必然的になってしまう。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
沈黙が始まってから開店の準備をしつつ、6時間がたった。因みに開店の時間は、17時からだ。
「さっきは悪かった。もう、休憩に入っていいぞ」
ラウズは謝った後、俺の方を見ながら笑顔で言った。
「まぁ、いつもの通りのことだからいいけど、次からは気を付けてくれればいいぜ!」
「てめえ~、偉そうにしやがってコノヤロー!」
ラウズは、両手をグーにしてゼルの頭をグリグリした。
「痛い痛い痛い痛い、わかったから今すぐ休憩しますから~」
そう言って、ラウズの手を払ってから階段の方に走っていった。
この建物は3階建ての建築物だ。1階は普通にみんながガヤガヤする場所だ。2階は依頼の書類がたくさんあって、だいたいそこで依頼を受けたり、頼んだり、報告したりする場所となっている。3階は物置と従業員の更衣室となっている。
「おいゼル!今3階にはセリアとラウダニスがいるから気おつけろよ」
「了解です!」
俺が階段に上る前に、さっき出た2人について説明しよう。
まず、セリアから説明する。髪型はツーサイドアップで色は赤色だ。性格はお嬢さま系で、みんなからは『ツンデレ姫』と呼ばれる。年齢は俺と同じで16歳。身長は俺の5センチ差で勝って、160センチだ。そして、ここに勤めてから2年になる。
次に、ラウダニスについて説明する。髪型はインテークで色は黒色だ。性格はお姉ちゃん系で、みんなからは『姉御』と呼ばれている。理由は、この場所に来る前は騎士をやっていたらしい。ラウズ曰く剣術がとんでもなく凄いらしい。また、剣術だけではなく魔術も凄いらしい。年齢は23歳で身長は168センチだ。そして、ここに勤めてから5年になる。
ゼルは説明後階段を上り始めた。
「今日のゼルは、独り言が多いなぁ~」
ラウズはそう言って、自分の作業を再開する。
「速く屋根の上に上って、空を見よう!!」
ゼルはよく空を見る。理由は黄昏たいからだ。また、それしかやることがない。
勢い良く1段1段確実に上っていく。風を切るように上っていく。
「(よし!そろそろ3階だ。この勢いのままバルコニーから屋根の上に行くぞ!)」
3階に上った時だった。死角から人が来てぶつかってしまった。
「イタ!」
女の人の声がした。俺はぶつかるのは慣れているから声は出さなかった。まぁでも、女の人を倒してしまったから助けてあげるのが当たり前だ。
そうゼルは思い女の方を見ると、そこには赤髪のツンデレ姫がいた。
「へぇ?」
さすがに、動揺が隠し切れなかった。