決戦は英国で
日曜日 どこかの教会
「主を賛美しましょう」
キリスト教の礼拝というのは、そもそも主、つまりは神に対しての賛美などを行う場所です。
「アーメン」
実際、そこまで本格的にやってない人々、親の信仰に付き合わされる子供などにとっては、面倒な場所です。
賛美歌を歌い、主に対しての聖句を述べ、つまらない宣教師の話を聞き、そんな面倒な行事でしかありません。
ただ、彼ら、魔女に取っては、信仰もさることながら、横の連帯を確かめる重要な行事なのです。
「司教様からのお言葉があります」
そして何より、彼らの礼拝というのは自分たちが身を隠すため、自分たちのみを守るため、そして仲間のみを守るための行動の規範を決める会議でもあるのです。
「諸君」
司祭の服装をした男が壇上に上がり、教会擬きに集まる信者、正確には結社の一員達に語りかけます。
「時は来た。私の隠し事を話すときが」
この司祭は以前から、隠し事をしていました。
誰が聞いても、その隠し事について何も語らずただ笑うだけ、まぁ話せば隠し事ではなくなるのでまぁその態度が正しいと言えば正しいのですが。ですが彼は隠し事があると言うのは喧伝して歩いていました。
「では聞きましょうか司祭」
一員からヤジが飛びます。こんな事は本来の礼拝では有り得ませんし、子供がそんなことをしたら後から親に怒られます。
そこら辺からもこの教会が擬き、教会の形をした別の何かであると言う事が解ります
そのヤジに対して、司祭はにやり悪人のようにと笑い
「魔術師が正義になる用意が出来たのだ」
と言いました。