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その瞳に何を見る。

作者: 蛇月夜

その瞳に何を見る。

 今の世を知らぬ盲目の瞳は何を見る。

その耳は何を聞く。

 単調な音楽を聞き続ける耳は何を聞く。

その心は何を感じる。

 空虚で白痴となった心で何を感じる。


玉虫で極彩色の城の奥の奥、歪な扉のその先に。

王座にだらしなく寝そべるアナタは醜く美しい。

その王座は揺りかごにして牢獄であり鎖。

アナタを繋ぐその王座を、私では解くことは出来はしない。


アナタの瞳を対価にし、私は無限に等しい光を得た。

アナタの知識を対価にし、私は無限を知る術を得た。

アナタの自由を対価にし、私は無限に広がる腕を得た。


故に、私の命はアナタが為に。

故に、私の光はアナタの為に。

故に、私の全てはアナタに捧げる。


いずれは、アナタの抱く笛を掴み取り、私が世界となり果てましょう。

アナタが自由となるために、私は柱になりましょう。

私は無限の闇を見つめ、アナタは無限の世界を見る。

私は王座に捕らわれて、アナタは無限に広がる世界を歩く。

私は空虚と白痴の心を手に入れて、アナタは恐怖と無垢な心を手に入る。


かくして、化け物は眠れる神に成り上がり、王は弱々しい人へと成り下がる。


アナタはその瞳で一体何を見る?

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― 新着の感想 ―
[一言] まあ何て言うか悲しい感じですかね 要は短い話でしたがある絶大な力を持った何かがいた しかしそれは自らの意思で力を失うことを選んだ とはいえ自分の意思でやったとはいえ力を失い無気力に存在意義…
[一言] 対照的と言うか、リズム感のある詩と言いますか…… テンポの良さを感じました。
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