刀夜VS水!
俺と水は、試合場らしき所に連れてこられた。どうやら、決闘はここでするらしい。まあ周りに被害が及ばないようにするためだろう。何人かの観客がいる。そのなかに霊花もいる。おそらくは心配なのだろう。他には、回復系統のスキルを使える教員も来ている。
「俺から行くぜ!」
先手必勝と言わんばかりに、俺は若干気が引けるが殴りに行く。
「そう言えばあなたの攻撃方法は体術しかありませんものね」
水は嫌味っぽく言うと、氷の槍を作り出し、発射してきた。
「うおっ!危ねっ」
間一髪でかわした。あんなのが刺さったら痛いだろうな。とんでもない学園に来てしまったものだなと改めて思う。
「よく避けられましたわね。ではこれはどうかしら?」
この時、身体に電撃が走ったような違和感のあと、氷の槍がとんでくるビジョンが目に映った。被弾しないと思われる場所まで駆け込むと、少し遅れてさっきまでいた所に氷が刺さった。
あれ、おかしい。見た通りだと、氷はあの速度だと、もっと早く刺さるはずだ。
「どういうことですの!? この技を避けるなんて、今までに一人もいませんでしたわ!」
なんかわめいている。避けれたのは俺が初めてのようだ。
プライドが傷ついたのか、彼女は冷静さを欠き、無闇に氷で攻撃を再び始めた。が、先程とは違って乱れ撃ちしている分、避けやすくもあるし避けにくくもある。その最中、再び目に違うビジョンが映った-今度は一瞬であったが。そのとき、俺は悟った。これは恐らく俺の予知能力、いや、スキルだろう。水は次に額に手を当てた。その直後、俺の元いた場所が凍った。当然、俺は避けたが、腕が氷結していた。同時に別のスキルをかけたようだ。また、水は俺のスキルに感ずいたらしい。
「相手の攻撃を避けるスキルね、でも完全には使いこなせてはいないわね」
水は勘違いをしているようだ。確かに、避けることは予知のおかげで少しは簡単になるが、あくまでもよけるのは自分自身である。勝手に避けてくれるなど、そんな反則能力では無い。
「どうやって攻撃しようか」
そういえば右手が氷結してしまっている。
氷? そうか、その手があった!
俺は水に向かって走り始めた。もう一度氷を飛ばしてくるときがチャンスだ。いや、細かく言うと、そのあと組み込んでくるであろう氷結のスキルを発動するときがチャンスである。
水は技が当たらないとすぐキレるようですww