第二閃(裏):調査対象は鉄巨人?奇怪なクエスト
裏では転移先での話を書いておりますぞ。
いきなりキャラも世界観も違いますが別の話では無いですぞ
「ほんと遅い、遅すぎるリックの奴いつまで待たせるのよ」
あるのどかな村のギルド前でローブを纏い杖を手にしたいかにも魔法使いと言った感じの少女が激怒していた。
その後ろでは、もう一人の彼女より小柄な黒髪の少女は瞳を閉じ瞑想でもするかの如く静かな呼吸で時を過ごす。
二人はかたや魔法使いもう一人は魔法使いの少女とも周りの者と趣の違う衣を纏っている上に腰の獲物も湾曲の片刃の見慣れない少なくとも魔法使いの少女は見たことない業物であった。
「わりぃわりぃ遅れちまったか?」
少女二人待たしていた待ち人が謝罪をしながら小走りによっていくるのは、背中に片手剣と盾を背負った少女等と同年代の赤毛の少年だ。
待ち合わせに遅れておきながら軽い謝罪に、怒りが収まらない様子でがひとしきり怒ると、息を大きく吐くと諦めたかのように魔法使いの少女はギルドに歩を進め二人は後を追うように入っていく。
「リック、エレナに……確か?行きだ折れてた黒髪の嬢ちゃんか?」
「また森に入るのか。それより一杯どうだ奢ってやるてばよ」
そこはギルドと言う名の飲み屋だった。いや一応はギルドと言うのも嘘ではないが辺境のズィンでは高難度クエストは起こらない。
だからこそ一応は形として支部はあるが元冒険者が営む飲み屋の中にあるだけ高ランク冒険者はおらず
居ても療養中あるいは弟子を連れた元冒険者いるぐらい
ようは低ランク冒険者や兼業冒険者主体の平和な田舎町なのだ。
「じゃあ今日は村付近の魔物狩りを漆黒に頼もうかね?村に来た行商人からの話じゃアイルランスロープが出たって話だしね」
店の酔っぱらい達を挨拶を交わしカウンターに着くとギルドで働くエレナの母親から依頼を果たされる。
漆黒ってのは俺と一つ年上の魔法使いのエレナのコンビのパーティー名だったのだが、今はサラサの森で助けた異国人の雫の三人パーティー
まだまだ駆け出しって事で親であり師匠の管理下に置かれているのは歯がゆくもある。
目的が決まった事でギルドを出発し村から出れば道を沿いに周囲を探索する日も高く暖かで傍目のようだろうがのようだろうが
少し離れれば魔物の気配がだだよいだす先頭に戦士として俺が立ち進むと先んじて雫が動く雷兎が群れですぐ近くまで来ている。
気付かずにいた俺達をよそに雫は間合いを一瞬で侵略する雷霆の如き袈裟切りで一刀のもとに斬り伏せると、他が一斉に雷の斉射に俺もサイドステップで躱すも
前方にいた俺が避ければ雷は必然と後ろにいたエレナに向かい直撃し追撃の的になるも突進を木製の小型シールドで防ぎはしたが非難の視線が……
エレナへの攻撃に夢中の所に斬擊をたたき込み雷兎を全滅させるも、エレナは不機嫌なままだ。
なんせ最初杖だけだった装備が何度か今回のような事をやらかして前衛がコレじゃあと盾を持ち始めたのだがまたやってしまった。
個々ではソコソコやれるつもりでも、パーティーとして機能していないと実感するもなんだかんだ生き残ってはいる。
こうして日も堕ちようとする刻限になりズィン村に帰還しようと成果の荷をまとめようとした時だ
遠くの方で大きな光の柱が立ち昇るのがが見えたが一時限りで、すぐにソレは消えた。
「なんだったんだ今の森の奥から光が空に昇ったような?な、ちょっと見に行ってみるか」
「リック殿……拙者は腹がペコペコなの」
「そうよね、雫が一番頑張ってくれたんだもの。考えないし突進するバカとちがって」
好奇心から光の柱の探索に出ようとするも空腹から乗り気ではない雫に腹を空かした雫を撫でて同調するエレナ。
二対一になっただけでは無く回復薬等の消費や疲労などからもエレナに説教をされ後ろ髪を引かれる思いでズィン村に戻ると
どうやら光の柱を見た者は俺達だけでは無く冒険者を含め森に入った者など目撃者の情報でギルド内は盛り上がっている。
俺達も雷兎やアイルランスロープから剥ぎ取った素材を換金した後は話の輪に入り聞き入った
もっとも興味を持っているのは俺一人らしく気が付く二人は離れた席で食事をしている。
光の柱を遠目で見ただけで、話せる事もなく他も似たり寄ったりで憶測ばかりの中でシーフを主体としたパーが一番情報を持っていた。
「だからよぉ光の柱からデッカイ鉄の鉄のなんだアレわっかんねモンがよぉ」
「巨人てかゴーレム?兎に角そんなのが目の前を」
直接目撃をしたらしいが要領を得ないが、巨大な鉄背の未知の魔物が出たと言うなら冒険者としてやることは一つと食事中の二人に説明すると答えも聞かずに家に帰って明日の準備をする。
「ただいま戻ったでござるよ。言うことだけ言って帰ってしまって……エレナ殿も了承はしてくれはしたが遅れないことと伝言をたのまれたの」
そう言うと雫は自室に入っていくの見て俺も興奮しつつも眠りにつきそして朝が来た
「おいエレナ遅いぞ!?いつまで待たせる気だ。ほら回復薬やら食料は用意しておいてやったから出発するぞ」
いつもの待ち合わせの場所で遅刻の常習犯が珍しく先に来て急かすが間違ってもエレナも遅刻はしていない。
ズィンに流れ着いて以来リックの家に居候中の雫も担ぎ連れられているがねむそうだったが、呆れながらも意気揚々と進むリックに着いていく事にした。
だが森を進んだ先で漆黒のメンバーが見たのは、ある意味で話通り巨人それも生物では無く鋼で出来た巨人に一同は息を飲むも互いに顔を見合わせ息を潜めて接近試みる。
俺は背中の片手剣を抜きエレナも杖を構え緊張が走るが、鉄巨人に動きは無くまだ気付かれては無いみたいだエレナが魔力を込めその魔法を合図に一気に切り込無そのはずだった。
「リック殿、エレナ姉さん!!なにかヤバいの」
前のめりになっていた俺達に雫が声を上げるが、体勢を買える間もなく鉄巨人が頭部から高速の礫を発したのだ。
盾を構える事も魔力障壁を張る暇も無いほどノーモンションで来た攻撃速度に何も出来なかったはずだが俺もエレナも何故か無事だった。
目を見開いき土煙が晴れた先に正眼に構える雫が激を飛ばす
「なんとか初撃は防いげたけどヤバい奴なの。でも倒せない相手じゃ無いの」
「まったく頼もしい事、言ってくれるじゃねぇか。こっから俺に任せとけ」
シズクの檄を受け破片で切れた頬の傷の血を拭い軽く舐めて吐き檄に応え鉄巨人へと挑んでいくのであった。