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9.魔道具の意味
「すべて加工済みだから。それに、いくら魔力をたどられないからといっても、設置したあとにばれないほうがいいからね。小さめの魔道具ばかりだからそこも問題ないはずだよ」
ジェリンナはシャロレッタの声など聞こえないかのように、食い入るように魔道具を見つめている。
やがて少しは気持ちが落ちついたのか、ジェリンナがとまどった様子でこちらを見つめる。
「これは、どういう意味かしら」
「どういう意味っていうのは?」
そういうと、ジェリンナがこちらをうらめしそうに見つめてくる。
シャロレッタは微笑した。
「ふふ、そんなににらまないでほしいな。いや、どういう意味もなにも、そういう意味だよ」
すると、ジェリンナがますます顔をけわしくした。
「ふざけないで。わたしがいいたいのは、この魔道具でわたしに何をさせたいのかってことよ」
「なあんだ、ほら、やっぱりわかってるじゃないか」