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5.協力
「冗談にきまってるでしょ」
……彼女、なかなか心臓が強いようだ。
さすがは公爵家長女であり、爆弾をこっそりしかけているだけはあるというか。
しかも、火魔法の腕はかなりのものだという。
「それで、わたしが爆弾犯だと知ってなにがしたいのかしら? 貴族に情報を流す? それとも、どこかの詰め所にでも連れていくのかしら?」
「いやいや、そんなことはしないさ」
「じゃあ、いったい何のためにこんなことをしたのかしら?」
ジェリンナがシャロレッタをにらむ。
「わたしは、君に協力したいと思っているんだ」
シャロレッタがにこりと笑ってそういうと、ジェリンナはシャロレッタを疑うような目で見つめる。
「へえ、協力」
「そう、協力」
シャロレッタはにっこりと笑った。
ジェリンナが笑いかえす。
「それで、いったい何の協力をしてくれるのかしら、最強完璧超絶美少女さん?」
ぐっ、これはなかなかに効く。
おのれ、じぃめ、あとで覚えておけよ。